食後に心拍数があがって動悸がして苦しい原因と対処法

こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。

食後に動悸がしてきて苦しい、食べすぎるとパニック発作が出るような気がして食事が怖いというご相談を受けることがあります。

食後の動悸は胃に食べ物が入ると体の中で様々な変化が起こることで発生しやすくなるのですが、今回は食後の動悸について原因と対処方法を、一緒に考えていきたいと思います。是非、最後までご一読ください。

結論:食後に動悸がする原因に合わせた対策を行う

食後に動悸がするようになると、食事をとることが怖くなってしまったり、体調悪くなるかもと思うと食事も楽しむことが出来ませんよね。

食後に動悸が出てきてしまうその原因を理解し、原因に合わせた対策を行うことで、食後の動悸を改善していくことが可能です。

食事の量や速さ、飲み物の摂取量、貧血の状態、自律神経のバランスなど、さまざまな要素が食後の動悸に影響を与えます。

あなたの体調、生活習慣や食習慣を振り返り、あなたが食後に動悸を感じてしまう原因に対する適切な対策を行うことで、食事を楽しく、安心して食べることが出来るようになるでしょう。

食後に息苦しい原因と対処法
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食後は心拍数が上昇するのは正常

食事をすると、食べたものの消化と吸収の為に、胃腸へ血流を増やして胃腸が活動しやすい状態を作り出す必要があります。

また、食事を食べると食事誘発性熱産生といって吸収した食べ物が熱に代わり体温が上昇します。

この二つが合わさることで、正常な人であれば食後は心拍数が上昇します。心拍数を上昇させることで、胃と腸が食物を消化し吸収した栄養を体の他の部位に送るために、大量の血液を必要とします。

そのため、食後には消化器官への血液供給が急激に上昇します。

血液は心臓から全身に送られるため、消化器官への血液供給が増えると、心臓はより多くの血液を送る必要が出てくると同時に、体温があがることで心拍数が上昇するのです。

これは正常な反応で、食後に感じる動悸の原因となります。

正常な反応として心拍数が上昇しているのですが、この心拍数の上昇を動悸として強く感じられたり、不快な症状として感じられる場合に、食後の動悸で悩まされることになります。

よく噛んで食べ物を口内でも消化する

食事をする際、よく噛むことは非常に重要です。

よく噛むことによって、食物は細かくなり、唾液と混ざり合うことで食物がより消化しやすくなります。

食べ物が細かくなると食べ物の表面積が増大しますので、胃酸などの消化酵素に触れる面積が増えます。その結果、胃腸での消化が行いやすくなります。あらかじめ料理の際に小さめにカットすることも有効ですが、唾液の分泌を促し、食物と唾液を混ぜ合わせるという点では噛むことが大切です。

唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれており、炭水化物を分解します。また唾液と食べ物をよく混ぜることで血糖値の上昇を穏やかにし、血糖値の乱れによる自律神経の乱れを予防できます。

よく噛んで食べることで胃や腸への負担が軽減し、消化過程全体がスムーズに進みます。

また、よく噛むことにより、食事の速度が遅くなり、1度の食事で過剰に食べるということを減らすことが出来ます。

過食は胃腸への負担を増やしますので、より多くの血液を胃が要求します。動悸を引き起こす原因になる為、食べ過ぎを防ぐことは重要です。

よく噛んで食べるというと〇回噛みましょうと噛む回数を決めてという方法も良いです。

しかし、食べ物によって柔らかくて〇回噛めないものや固くて〇回よりもたくさん噛んだ方が良いものがあるので、噛む回数よりもゴクンと飲み込まずに、何度も噛んでいるうちに自然に口の中から食べ物が無くなるまで噛み続けるという食べ方をお勧めします。

1日3食よりも増やして少量ずつ分割して食べる

1度に大量の食物を一度に食べると、胃腸はその全てを消化するために大きな負担を受けることになります。

その結果、食後に胃腸への血流を増やす必要が出てきて動悸を感じる可能性が高まります。

1日の食事をより多くの回数に分けて、少量ずつ食べるという方法も効果的な場合があります。

1日に5~6回の小食を摂ることにより、一度に消化する食物の量が減り、胃腸の負担が軽減されます。これにより、食後の動悸が軽減される場合があります。

また、1食あたりを小食にすることで血糖値の急上昇を防ぎ、長時間食べないことによる低血糖を予防する効果も期待できます。

水分補給で血液量を増やす

食後に心拍数が上昇するは血液を胃腸に送る為ですが、血液の量が十分でないと心臓は少ない血液を早く循環させる必要が出てくるため、心拍数がより上昇しやすくなります。

普段から少し動くと心拍数があがりやすい方に多いですが、血液量が足りていないと食後の動悸の原因となります。

日頃から十分な水分補給を行うことで、血液の量を増やし、心臓の負担を軽減することが可能です。

気を付けて頂きたいのが食事前後の水分補給はなるべく避けるということです。

なぜかというと、胃酸はその名の通り酸性の作用により食物を溶かして消化しますが、食事中に多量の水分をとってしまうと胃酸の酸性度が低下してしまい、消化を邪魔してしまうことになるからです。

また、カフェインやアルコールを含む飲み物は利尿作用があり、体内の水分を奪うことがあるので、ノンカフェインの飲み物(水や麦茶、ハーブティーなど)を、なるべく常温~60度未満温度の飲み物で水分を補給することが大切です。

鉄を補給して貧血を改善する

鉄は赤血球の生成に必要なミネラルで、赤血球は全身に酸素を運ぶ役割を果たしています。

鉄の不足は赤血球の数を減らし、酸素の供給能力が低下します。

酸素の供給能力が低くなるため、元々貧血気味の方は動悸を起こしやすい状態にあります。

少ない赤血球で酸素を全身に送るために心臓が心拍数を上げる必要がありますが、心拍数を上げることでさらに心臓で使用する酸素を供給する為に心拍数が上昇して動悸になったり、酸素不足で息苦しくなるといった悪循環が起こりやすくなります。

貧血傾向がある方の場合には、鉄分を十分に摂取することで貧血を改善し、動悸を軽減するために重要です。

鉄分は肉、魚、豆類、全粒穀物、緑黄色野菜などの食物から摂取することができます。また、ビタミンCを一緒に摂取すると、鉄の吸収を助けることができます。

サプリメントなどを利用する場合には鉄剤よりもヘム鉄の方が吸収率が良いのでお勧めできますが、鉄は蓄積される栄養素なので、過剰にならないように注意しましょう。

自律神経の乱れには生活習慣の改善

自律神経は、心臓・胃腸の働きを含む体の多くの機能を自動的に制御しています。

ストレスや不規則な生活習慣や睡眠不足、運動不足、心理的・身体的ストレスは自律神経のバランスを乱し、これが動悸を引き起こす原因となります。

自律神経を整える為には、生活習慣の改善が重要です。

適度な運動、良質な睡眠、ストレス管理、バランスの良い食事など、健康的な生活習慣を維持することで、自律神経のバランスを保つことができます。

特に、ストレスは自律神経のバランスを乱す大きな要因です。

ストレスウケている場合は、心拍数を高める交感神経の働きが強い状態になり易いので、ストレス管理はとても重要になります。

鍼灸・整体で自律神経を整える

首肩周辺は脳からの自律神経指令を心臓や内臓へ伝える為の重要な神経の情報伝達ケーブルの通り道です。

その為、首肩こりが発生してしまっていることで食後の動悸以外にも息苦しさなど自律神経が関わる症状が発生しやすくなる為、神経の通り道や神経に栄養を送る血管が通っている骨際までコリを改善しておくことはとても重要です。

また、全身がこわばっているとうまく副交感神経を働かせてリラックスしずらくなります。その結果、睡眠に問題が生じたり、寝ているのに睡眠の質が低下して自律神経系の働きが回復してこないなどの問題を生じてきます。

食後の動悸がストレスや自律神経の乱れによるものである場合に特に有効です。

胃腸への鍼灸で胃の状態を整える

胃腸への鍼灸は、食後の動悸を軽減するための一つの手段です。

胃腸も筋肉で出来ていますが、肩こりなどと同じように胃腸もこり固まることがあります。

例えば、胃がこり固まると胃が動くことで胃酸と食べ物を混ぜ合わせて消化している混ぜる工程が上手くいかず、胃の無駄な動きが増えます。

その結果、消化吸収に必要とする血液量も増えてしまう為、食後の動悸を誘発する原因になる場合があります。

胃腸の動きを整えることで食後の動悸が改善される場合があるので、このようなアプローチも検討してみると良いでしょう。

まとめ

食後の動悸は、さまざまな原因がある可能性があります。

食事の量や速さ、飲み物の摂取量、貧血の状態、自律神経の乱れ、胃腸の不具合などが原因となります。

食後に動悸がしている原因を特定し、適切な対処を行っていくことで、動悸を気にせずに食事を楽しく、安心して取ることができます。

ここでお伝えした食事や栄養のアプローチを行っても症状が改善されない方は、胃腸の不調や首肩こりが影響している場合もありますので、その場合には鍼灸や整体によるアプローチも一つの選択肢になると思います。

当院での改善をご検討の方は自律神経失調症動悸をご覧ください。

遠方でカウンセリングへの来院が難しいけれど、相談したいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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自律神経失調症
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