<初診時のカウンセリング>
ずっと更年期障害があり、体調が悪い状態が日常化しているのだが、半年ぐらい前から動悸がするようになり、ここ一週間ぐらいさらに動悸がひどいため来院した。
特に朝仕事に行くときに動悸が辛い。循環器内科で心電図もとってはみたが多少の不整脈はみられるものの正常と診断されている。安定剤を処方してもらい服薬すると若干マシにはなるとのこと。
今回、はじめて鍼灸をうける。
<施術内容と経過>
更年期障害そのものは性腺ホルモンによる影響でこちらからくる体調不良に関しては専門外になる為、動悸症状に絞って施術をさせて頂く事とする。おそらく、更年期の体調不良が長期間続いたことで、首肩こりがひどくなって脳への血流が悪くなったことが原因で動悸がしているのではないかと思われる為、首肩こりの改善を中心に行っていく。
初回
全身調整と首こりに対してはり施術を行った。このままどんどん悪くなるのではという不安感が強いため、心理療法を追加した。
2回目(一週間後)
前回の施術後から動悸を感じて苦しくなる日が減って薬を飲まない日もあったとのこと。体調も回復傾向にある為、一時的に一週間休みをもらっていた仕事を来週から再開していくとのこと。全身調整と首こり改善。
3回目(一週間後)
今週は仕事に行く時だけ動悸が出る状態で、それ以外では動悸はそれほど強く感じることはなかったとのこと。予期不安による動悸に近いような出方をしている為心理療法を追加。全身調整と首こり改善。
4回目(一週間後)
今週はほとんど動悸を感じることもなく仕事にも行けていたとのこと。全身調整と首こり改善、心理療法。
5回目(二週間後)
二週間間をあけたが、動悸はほとんど感じることなく安定した状態で生活できているとのこと。それ以外の更年期症状は出ていてそちらの方が辛いとのこと。
6回目(三週間後)
動悸を感じることもほとんどなく、安定して過ごせている。
7回目(一カ月後)
更年期症状などは残るが、当初の目的であった動悸については改善された状態が維持できている為、今回で卒業とした。
<まとめ>
更年期障害の身体ストレスと心理ストレスから自律神経が乱れて動悸が発生していた症例。
こういう症例をみると更年期障害に対するアプローチもカバーできればという想いを抱いてしまうのだが、専門分野を広げすぎると自律神経の勉強や技術研磨に割けるリソースの低下につながる為、更年期障害は更年期障害の専門家にお任せするという分業の姿勢が大切だと改めて再認識させる必要がある。
※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。
自律神経の症状改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。