一カ月前から突然右手親指の痛みが出るようになった腱鞘炎で来院された50代男性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
1ヶ月ぐらい前から特別何かをしたわけでもないのだが、右手の親指から前腕にかけて痛みを感じるようになって病院へ通院していたのだが、あまり改善が見られず2~3日前から突然痛みが強くなったため当院へ来院した。

今回、初めて鍼灸を受ける。

<施術内容と経過>
腱鞘炎との診断ではあるが、痛みを訴えられている親指から前腕部分のどこを調べても、発赤、腫れが診られず、炎症の5徴(発赤、発熱、疼痛、腫脹、機能障害)が揃っていない為、おそらく患部に問題はないと判断した。

肩甲骨周囲のこりから腱鞘炎に類似の症状を訴えられる方が多いので、肩甲骨周囲のこり部分を指で押さえこんで動かしてもらうと痛みが軽減することが確認できた。肩甲骨周囲の動きの悪さが最終的に親指の動きに悪影響を与えていると判断して施術を行っていく。

初回
全身調整を行った後、右の肩甲骨周辺の筋肉のこり部分に集中的にはりを行っていく。施術後痛みが軽減した。

2回目(一週間後)
動かすと若干の痛みは残るものの、痛みの程度は半分以下まで軽減しているとのこと。仕事で大型車を運転しているのだが大型車のハンドルを使うときだけ痛みが強いとのこと。全身調整と肩甲骨周辺の筋肉のこりを緩める。

3回目(一週間後)
日常生活ではほとんど痛みに悩まされることがなくなり過ごせている。今週は仕事が休みで大型車のハンドルを握っていないので状態がわからない。全身調整と肩甲骨周辺の筋肉のこりを緩める。

4回目(二週間後)
大型車のハンドルを操作してもほとんど痛みもなく運転することが出来た。日常生活でもそれほど痛みを感じることはなかった。全身調整と肩甲骨周辺の筋肉のこりを緩める。

5回目(二週間後)
二週間間をあけたが調子よく過ごせていた。運転中にわずかに親指と人差し指の間の部分に痛みが残っている感じがあるとのこと。全身調整と肩甲骨周辺の筋肉のこりを緩める。

6回目(三週間後)
運転中に1度だけ違和感を感じることはあったが、痛みを感じることもなく過ごせている。

7回目(一カ月後)
痛みも全くなく、仕事も問題なくこなせている。今回で卒業とする。

<まとめ>
肩甲骨から腱鞘炎になっていた症例。

炎症の5徴が診られない症状の場合は患部に問題がないこともあり、基礎医学で学ぶことが判断にとても重要だということがわかる症例。

おそらく患部にはりをたくさんしていたとしても、それほどの改善は見られなかったと思われる。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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腱鞘炎症例
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