3週間ぐらい前から始まった右親指の腱鞘炎で来院された20代女性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
3週間ぐらい前から右手の親指を使った時に痛みが出るようになり、整形外科を受診して治療を受けているがあまり大きな変化が見られない為、当院へ来院した。

特に仕事中に痛みが増すが、日常でも物を握るなど親指を使うときには痛みを感じる。

今回、はじめて鍼灸をうける。

<施術内容と経過>
痛みを訴えられる患部に発赤、発熱、腫脹などの炎症徴候は見られないこと、消炎鎮痛剤として湿布を出されて患部に貼っているがあまり改善が見られないことを考えると、痛みを引き起こしている原因は患部にはなく他所に原因があって腱鞘炎のような痛みが出ているのではないかと思われる。

指の痛みは肩甲骨外側のこりで誘発されることが多いため、右の肩甲骨の外側に強い凝りを探り当てて強めに抑え込んだ状態で動かしてもらうと、母指を動かしたときの痛みが軽減したため、施術はこのポイント残りを緩めることを中心に施術を行っていく事とする。

初回
全身調整を行った後、肩甲骨の外側の強い凝りがある部分に集中的にはりを行って緩める。施術後は動かしたときに違和感が出る程度まで改善した。

2回目(一週間後)
前回の施術後から動かすと必ず痛いという状態ではなくなり、調子が良い日は違和感程度で痛みまで出なくなっているとのこと。全身調整と肩甲骨外側のこりにはりを行った。

3回目(一週間後)
今週は痛みを感じることはほとんどなくなり、違和感も減ってきているとのこと。全身調整と肩甲骨外側のこりにはりを行った。

4回目(二週間後)
施術をした翌日に痛みがいったん出たが、その痛みが引いてからは違和感も痛みもなく調子よく過ごせているとのこと。

5回目(一カ月後)
仕事中も問題なく過ごせている為、今回で卒業とした。

<まとめ>
肩甲骨の外側のこりから腱鞘炎症状がでていた症例。

患部に発赤、発熱、腫脹を伴わない腱鞘炎の場合は背骨や肩甲骨周辺の問題から痛みが出ていることが多い。

患部と痛みの原因が離れている場合、クライアントさんの心理として患部に全く触れられずに施術が終わるというのは不安になることも多いことから、実際には患部に何もしていないが、患部に施術を行っているようにみせるという、パフォーマンスとしての施術を行うかどうかは毎回悩んでいる部分ではある。

この症例では信頼関係もうまく築けていたため、こういったパフォーマンス施術は行わなかったが、不安感や不信感が強い性格の方には有効な方法でもある。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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腱鞘炎症例首こり、肩こり
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