1年続いている疲れてくると悪化する背部の痛みで来院された20代男性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
1年ほど前から背中に痛みを感じるようになり、整形外科にも接骨院にもかかっているのだが、あまり変わらず、痛みが継続している為、来院した。

ひきつれるような痛みで、疲れてくる夕方ぐらいからツッパリ感と痛みががひどくなりやすいとのこと。

今回、初めて鍼灸を受ける。

<施術内容と経過>
痛みを訴えられている範囲が背中の広範囲であり、一部腰まで症状を訴えている。触診では筋膜の傷が見つかったため、そのせいで筋肉の伸縮が邪魔されることで症状が出ているのではないかと思われる。筋膜の傷の回復を促すお灸を中心に施術を行っていく。

初回
全身調整と筋膜の傷に対してお灸を行った。お灸を行った後は、痛みはかなり緩解したとのこと。

2回目(一週間後)
施術当日はとても楽だったのだが、翌日から再び背部痛が出るようになったとのこと。症状の戻りが早すぎることと、前回お灸でふさいだ筋膜の傷が再び開いている為、他の部位から引っ張られて筋膜の傷が再び開いてしまったと思われる。全身調整、背部の筋肉を全体的に緩めたうえでお灸を行った。

3回目(一週間後)
日常生活での辛さが半分程度まで軽減し、今一番つらさを感じるのは仕事で座っていると次第に背中が張ってくる状態が一番つらい。全身調整、背部の筋肉を全体的に緩めたうえでお灸を行った。

4回目(一週間後)
日常生活での辛さはかなり減っているのだが、仕事で座っていると次第に背中が張ってくるのだけが残っている。腰部の深く筋肉にコリを見つけたためはりで緩めて変化をみる。全身調整、背部の筋肉を全体的に緩めたうえでお灸を行った。

5回目(二週間後)
二週間間をあけたが意識すれば背中のはりを感じることは出来るが、普段はほとんど辛いと感じることなく過ごせていた。

6回目(二週間後)
背中のはりはそれほどなのだが、腰からのツッパリがまだ残っている感じがあるとのこと。

7回目(二週間後)
腰の深い部分筋肉に再びこりが出ており、イマイチ原因が特定できていない。腰の筋肉を緩めたうえで座り方を指導し、次回まで様子を見る。

8回目(三週間後)
今回は軽い違和感を感じる程度で調子よく過ごせていた。

9回目(一カ月後)
背中のはりも出ておらず、腰の深いところの筋肉も柔らかい状態が維持できている為、調子よく過ごせていたため、今回で卒業とした。

 

<まとめ>
筋筋膜性の背部痛と腰の筋肉のこりが合わさって背部痛が出ていた症例。

筋膜→背部全体の筋肉→腰部の深い筋肉→座り方といった形で改善を試みていったことになるのだが、最初の見立てだけでそこまで見つけることが出来ず途中てこずってしまった症例である。

座り方などは院内で座っている姿勢と普段椅子に座っている姿勢が異なっているとなかなか気が付きずらい部分ではあるものの、座り方を改善したところ腰の深い筋肉のこりが再発しなくなったため、一部座り方に問題があったと考えられる。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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背部痛症例
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