パニック障害による不安感、動悸、胸苦しさで仕事をやめて静養中の30代女性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>

20代の時に一度パニック障害になったがその時は、安定剤で一度症状は治まっていたとのこと。1年ぐらい前から不安感・恐怖感、動悸、息苦しさ、胸苦しい、過呼吸などの症状が出始め、仕事場に行けなくなってしまったため、仕事をやめて実家で静養していた。

しかし、今回は心療内科でもらった薬を服薬しても、一向に改善がみられない為当院へ来院した。

鍼灸院は初めて受診する。

パニック障害 30代 女性 浜松市

<施術内容と経過>

体を診させて頂くと首の筋肉の緊張が強く、脳もかなり強く興奮している状態。おそらく首の緊張から脳への十分な血流が確保されていない為、正常な脳の働きが出来ず、訴えられるような自律神経症状が出ていると考えられる。

首の筋肉の緊張緩和を行い脳へ血流の改善と脳の興奮を鎮静化させる施術を組み合わせて施術を行っていくこととした。

初回の来院時には動悸と理由のない不安感が出た状態で来院されたが、施術直後は動悸もおさまり楽になったとのこと。

2回目の来院時には動悸は数回出たとのことだが、苦しくて死ぬかもしれないと感じるほどではなかったと報告を受ける。

3回目の施術の際に外出が出来る様になってきたと報告を受け、調子が良くなってきたので仕事をそろそろ再開したいと求人を見始めているとのこと。焦らないでよくしていきましょうとお話をする。

4回目の来院の際に、大きく体調が悪くなっており話を聞くと面接を受けに行きそこで緊張してからまた動悸や不安感を強く感じるようになってきたとのこと。就職活動はもう少し待ってもらうようお願いした。

その後数回施術を行って安定してきたため、少しずつ就職活動をしてみましょうとおススメしたところ、8回目の施術が終えた頃に再就職が決まり、ゆっくりではあるが働き始めていると報告を受ける。

仕事は問題なくいけるようになり、人混みは苦手ではあるが、外出もそれなりにできるようになってきたため、15回施術を行ったところで卒業とした。

<まとめ>

パニック障害と診断される方にはストレスを受けている状況の時だけパニック発作が起こる場合と、ストレスを受ける状況でなくてもパニック発作が出続けている方の2パターンがあり、この方の場合は、ストレスを受ける状況でなくてもパニック発作が出ているケースです。

どちらもパニック障害と診断されるため少々ややこしいですが、どちらのケースでも自律神経の乱れが根底にあり、多くの方に脳への血液の通り道である首の深いところの筋肉がこっている方が多い為、まずは首こりを丁寧に改善していくことが重要と考えています。

パニック障害から社会復帰を目指す場合には、回復度に応じてストレスを少しずつかけていく必要があり、このケースのように回復度がまだ十分でない段階で強いストレスを受けると元の状態へ戻っていってしまうので、慎重に社会復帰を目指していく必要があると実感させられた症例です。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

パニック障害の改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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