パニック障害の正しい治し方

こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。

当院へは何年もパニック障害に悩まされていて、最近さらにひどいからということで来院される方も多くいらっしゃいます。パニック障害は正しい治し方をしていかないと慢性化して長期化してしまいやすい疾患です。

今回はそんなパニック障害の正しい治し方について一緒に考えていきたいと思います。ぜひ最後までご一読ください。

 結論:無理な現状維持が慢性化になり易い

パニック発作を起こしたことがあれば、パニック障害になるわけではありません。

パニック発作を起こした後、その後もパニック発作が頻発したり、自律神経の症状が継続したり、パニック発作が起こることを恐れるあまり、自分の行動を制限するようになった状態がパニック障害です。

はじめてパニック発作を体験した方は、そのあまりの苦しさからもう二度とあんな状態になりたくはないとパニック発作そのものに恐怖を持つことが多く、これがパニック発作をパニック障害へと進行させてしまう最初の段階です。

この時にパニック発作に対する不安感をすぐに払しょくすることが出来た人はパニック障害にはなりません。

しかし、ほとんどのケースでは初めてのパニック発作で体のどこかがおかしいのではないか?変な病気になってしまったのではないか?またパニック発作が起こるのではないか?と自分自身にプレッシャーを与えていってしまいます。

その結果、交感神経がさらに刺激されて2度目、3度目のパニック発作やパニックが起こらないようにと緊張することで交感神経が持続的に刺激されて、持続的な息苦しさ、動悸、不安感、焦燥感、不眠などの自律神経症状が出るようになり、次第にパニック障害へと変わっていきます。

それでも、すぐに適切な治療を開始できればほとんど慢性化せずに済むのですが、最近は精神科や心療内科が3ヶ月待ちでなかなか治療が開始できない。

仮に予約できても患者数が多い為に病院ではじっくりとカウンセリングを行っている時間がない為、とりあえず薬の処方のみで十分なケアを受けられない場合もあります。

パニック障害は投薬治療で症状自体は落ち着くこともありますが、根本的な原因を解消できるわけではありません

パニック障害になった原因が必ずありますので、その原因一つ一つをクリアしていく必要があるのです。

パニック障害の正しい治し方

パニック障害を治していくにはいくつかの段階があります。最終的には何事もないかのように普通の生活を送るということになりますが、採用した治療法や原因によって正しい治し方が変化します。

自分がパニック障害になった原因と採用した治療法を一段ずつ確実に行っていくようにしましょう。

まずは症状を安定させる

薬を使って一時的に不安症状を和らげる、鍼灸を行い身体ストレスを軽減して不安症状を和らげる、またはその両方を使用する。心理療法を用いる、ストレスの原因から離れるなど、まずは症状を軽減させることが大切です。

身体的ストレスが症状の原因であれば投薬治療や鍼灸が有効ですが、もともと心配性で色々不安なことで悩んでしまう方など心理的ストレスが原因であればこの段階で心理療法を行った方が改善が早い場合があります。

また、投薬治療を採用した場合には症状がなくなったとしても最低でも1年間は服薬を継続する必要があるので、症状が軽くなっても自己判断でやめてはいけません。

鍼灸の場合は3ヶ月程度継続すれば身体的な問題は安定することが多いのでそれほど長期間の継続は必要ありませんが、施術開始直後の改善速度はゆっくりなので、あまりにも症状が辛い場合には投薬治療との併用も一つの手です。(その場合は投薬治療は1年間は継続する必要があります。)

暴露療法と認知行動療法でパニック発作に対処できるようにする

症状がある程度落ち着いてきたところで、外出・運転・公共交通機関・人混みなどパニック発作を引き起こしそうなことに触れることで徐々に慣れていくということをしていきます。

具体的な方法は下記の記事で紹介していますので参考にしてみてください。

パニック障害による予期不安の治し方
パニック障害になると、多くの方が予期不安に悩まされます。予期不安そのものはもともと私達が普段感じる不安と同じメカニズムで発生する症状の為、不安のメカニズムを知ることで克服する方法が見えてきます。予期不安は必ずしも克服しなくてはいけないものでもない為、自分の生活に本当に克服の必要性があるのか?も一度振り返ることも大切です。
広場恐怖症(ひろばきょうふしょう)の治し方
広場恐怖症(ひろばきょうふしょう)の治し方 結論:身体的なリラックスレベルを高めたうえで、段階的暴露療法を行っていくことで治していくことが出来る。 車の運転、洗車機、エレベーター、美容室、歯医者、MRI、公共交通機関(バス、電車、飛行機など...

パニック障害になった根本原因を突き止める

日常生活もある程度行えるようにしていく訓練と並行して、パニック障害になった根本原因を突き止めて解消していきます。

単純に姿勢が悪くて首肩こりがひどくなってその結果、自律神経が乱れてパニック障害が発症しているのであれば、鍼灸で首肩こりの改善が終わっていればあとは姿勢や生活を気を付けるだけで問題ありません。

心理的な問題を抱えている方の場合は、より深い心理的なアプローチが必要になります。

例えば、夜もほとんど眠らずに仕事を頑張り続けた結果、パニック障害になってしまった。

という場合であれば、表面的な対策としては睡眠時間を削るような生活は今後基本的にはしないという生活改善をしますが、これは根本原因の解消ではありません。

根本原因の解消は、「夜もほとんど眠らずに仕事を頑張り続けた」という行動をどういう深層心理から行ったのか?というあなたの思考パターンや価値観についても自己理解し、見直していくことです。

パニック障害は発症する前に、身体から小さなサインが出ていることが多いです。振り返ると、時々動悸していたとか、寝つきが悪くなったとか、肩こりがひどかったなどです。

そういった身体からのサインを無視し続けてきたからこそ、パニック障害になっていますが、なぜ無視したのか?と聞かれても多くの人は「こんなひどい状態になるとは思わなかった、そこまで深く考えていなかった」といわれます。

しかし、さらに話を突き詰めていくと「周りと比べて仕事が出来ないと自分に価値がないように感じる」、「立場的に休むと怖くて言えない」、「皆頑張っているのに自分だけ休めない」、「家族や職場に迷惑がかかる」、「家族を心配させたくなかった」など、心の奥底に不安や恐怖を感じるので休むことが出来ないという理由が出てきます。

周囲の人に相談するなど助けを求めるということが出来ていないと、一人でどんどん抱え込んでいってしまいます。

一人で何でも解決しようとして周囲の人の助けを借りようとしない(助けを求めることが出来ない)ことが、原因になっていることも多いです。

根本原因を改善していく

根本原因が見えてきたところで、自分がなぜそのような思考パターン、価値観を抱えているのかについて一緒に振り返っていきます。

意味もなく何となくそう思っていることだけの場合もありますし、成長の段階でそういう価値観(認知の歪み)を持たなければ生きてくることが出来なかった場合もあります。

何となくそう思っているだけであれば、違う価値観の存在を知るだけでも十分改善されていきますが、成長段階でやむを得ず身につけた価値観の場合は、過去の自分の怖さや不安、寂しさといった感情と向き合う心理療法が必要になってきます。

心理的な根本原因を改善しておくことで再発の可能性をかなり抑えることが出来るようになります。

当院での改善をご検討の方はパニック障害をご覧ください。

遠方で来院が難しい方は、オンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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