喉が詰まる感じがする、異物感、違和感は自律神経が原因?治し方は?

喉が詰まる感じがする、異物感、違和感は自律神経が原因?治し方は?

結論:ストレス性の咽喉頭異常感症(ヒステリー球)であれば、ストレス原因を取り除いて自律神経を整えれば治していくことができる

ストレスを受けて自律神経が乱れると、喉が詰まる感じがしたり、異物感がしたり、違和感がある、飲み込みにくいといった咽喉頭異常感症(ヒステリー球)と呼ばれる症状が出てくることがあります。

我慢して自分の言いたいことを言えない方に比較的多くみられる症状です。

喉の異常を感じ始めてすぐであれば、ストレス原因を取り除くことで症状が消失することが多いです。

注意したいのは、喉に何らかの炎症や腫瘍ができているな物理的な原因の場合もある為、一度は耳鼻咽喉科で喉そのものに異常がないことを確認してもらうことが大切です。

慢性化するとヒステリー球の症状そのものがストレスとなってきてしまい、ストレス原因を取り除くことが難しくなってしまうので、初期に適切な対応を行うようにしましょう。

なぜ喉に症状が出るの?

自律神経には交感神経(活動力を高める)と副交感神経(リラックスする)の二つの神経があります。その中でも副交感神経としての役割が大きいのが迷走神経と呼ばれる神経です。

私達の神経系のほとんどは脳→脊髄→末梢神経という流れで情報伝達を行うルートです。しかし、これとは別に脳から直接末梢神経という流れで情報伝達を行う脳神経があります。

迷走神経は12対ある脳神経の一つです。

迷走神経が喉周辺の感覚や筋肉を支配している

迷走神経が喉周辺の感覚や筋肉を支配している

迷走神経は顎の奥のあたりから喉、胸、横隔膜、胃腸へ神経の枝が伸びています。

喉周辺の筋肉の支配や感覚を脳に伝えたり、声帯筋を調節する神経でもある為、喉周辺の筋肉が緊張したり、喉を内視鏡で診てもなにもないはずなのに喉の異物感、つまり感、違和感、声がかすれるなどの症状が出てきます。

迷走神経の働きが低下した原因を取り除き、迷走神経が正常に機能し始めると喉に出ている違和感は改善されていきます。

迷走神経の機能低下が起こる原因と対処法

迷走神経の機能低下は何か一つのストレスが原因になっている場合もありますし、複数の原因が複雑に絡まって機能低下を起こしている場合もあります。

迷走神経の機能が低下する全ての原因がわかっているわけではありませんが、当院で改善がみられた原因についてご紹介していきます。

ストレスによる機能低下

私達の身体はストレスを受けるとストレス反応を引き起こして交感神経優位な状態となります。

ストレス反応を起こすパターンは、物理的、化学的、生物的、心理的・社会的、ストレス不足の5つがあります。

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心理的なストレスや暑さや寒さといった物理的ストレス、身体の痛みや不快症状などの生物的ストレスが長期になるとそのストレスから交感神経優位な状態になります。

それと同時に副交感神経(迷走神経)の働きが抑制されます。

言いたいことを我慢している人に喉の症状が出やすい

言いたいことを我慢している人に喉の症状が出やすい

言いたいことを我慢しているor人に相談できない隠し事をしているなどがストレス原因の方に喉のつまり感や失声症(声帯筋が上手く機能しなくなることで、声が出なくなる)、声がかすれるなどの症状が出やすいように臨床では感じます。

原則的にはまずはストレスの原因から物理的に離れることが大切です。

体の症状が生物的ストレスになっている場合にはそちらを改善することで喉のつまり感、違和感が改善されていきやすくなります。

首こりによる迷走神経への血流低下

心理的なストレスがなくても、迷走神経の走行上の筋肉がこりかたまっていると(首こり)、迷走神経自体が圧迫して正常に機能できなかったり、酸素や栄養を供給している血流が血管が圧迫されて迷走神経の機能が低下したりする場合があります。

その場合は、頭蓋骨から出てきた迷走神経が通る走行上の筋肉のコリをひとつずつ緩めていくことで、血流の改善を行うことで迷走神経の機能改善が期待できます。

首前面の首こりは迷走神経の働きを低下させやすい

首前面の首こりは迷走神経の働きを低下させやすい

首はかなりデリケートな神経が集中していることや血圧を測っている圧受容器もあるので、乱暴なマッサージなどでのアプローチは危険です。

間違っても自分でゴリゴリもみほぐそうとしたり、ゴルフボールやテニスボールでゴリゴリ刺激しないようにしてください。血圧が急激に下がって脳貧血を起こして倒れることもあります。

首こりによる延髄への血流低下

迷走神経は脳から直接出てくる神経ですが、脳の延髄から出てくる神経です。

延髄は脳の後方にありますが、主に椎骨動脈の血管の枝からの血液によって栄養しています。

首前面は総頚動脈と迷走神経の走行が近いことから一緒に施術してしまうことが可能ですが、首後面にも首こりがある場合にはこちらもアプローチが必要です。

首後面の首こりは迷走神経の出てくる脳幹に悪影響を与えやすい

首後面の首こりは迷走神経の出てくる脳幹に悪影響を与えやすい

椎骨動脈は首の骨の穴を通って、頭蓋骨に入る直前に骨の後ろに一度カーブしてから頭蓋骨へ入っていきます。

その為、首を通ってくる血管周辺と頭蓋骨と首の骨の境界線(頭と首の境)付近のこりを緩めることが大切です。

栄養不足

神経が正常に機能するためには、栄養バランスの取れた食事が必須です。

神経自体が働く為には常にエネルギー(ブドウ糖)が必要な為、血糖値が安定した状態で維持される必要があります。

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また、神経と神経との間で情報をやり取るするための神経伝達物質はタンパク質が原料となりますので、タンパク質不足も迷走神経の働きを低下させる原因になります。

基本は三大栄養素を中心に現在の食事を見直して、徐々にバランスの良い食生活へと変えていきましょう。

生活習慣の乱れ

睡眠不足、夜更かし、昼間に体を動かさないなど、生活習慣の乱れは自律神経全体の働きを悪化させます。

規則正しい生活をするということが基本です。

朝起きて、活動し、夜になったら寝る。

規則正しい生活は自律神経を整える基本

規則正しい生活は自律神経を整える基本

このリズムをしっかり行うことで自律神経が正常に働ける土台が整ってきます。

慢性上咽頭炎による悪影響

口呼吸、風邪、アレルギーなどが原因で、喉と鼻の中間ぐらいの位置で炎症が起きてしまうことがありますが、これが慢性化してしまった場合には慢性上咽頭炎になります。

外気に直接触れる場所であるため軽い炎症は誰でもありますが、正常な範囲を超えた慢性的な上咽頭の炎症が慢性上咽頭炎という状態です。

慢性上咽頭炎の場合はEAT治療が有効

慢性上咽頭炎の場合はEAT治療が有効

慢性上咽頭炎は、上咽頭の炎症部に塩化亜鉛を直接塗布する上咽頭擦過療法(EAT:Epipharyngeal Abrasive Therapy)を行うことで改善していきます。

EATを行っている医療機関(耳鼻科)での治療が必要になります。

まとめ

喉のつまり感はストレスから副交感神経(自律神経、迷走神経)の機能低下によっておこります。

迷走神経は脳(延髄)から直接出てくる神経であごの奥から喉の前を通って心臓、胃腸へと伸びています。

一部は喉を支配している為、喉の異物感以外にも声がかすれるなどの症状が出る場合があります。

迷走神経の機能が低下してしまう原因は、ストレスやコリによる迷走神経や延髄への血流の低下、栄養不足、生活習慣の乱れ、慢性上咽頭炎などが考えられます。

原因に合った対策を行っていくことで喉のつまり感を改善していくことが可能です。

当院での改善をご検討の方は自律神経失調症をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、生活習慣や改善について相談したい方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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自律神経失調症
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