ストレスでみぞおち、脇腹が突っ張る、苦しい、息苦しい、痛みが出る原因と解消法

結論:ストレスの影響から、肝臓で血液が停滞して周囲の組織を圧迫する為、停滞を解消すると症状が改善する

 

ストレスからみぞおちや脇腹にツッパリ感、痛み、息苦しいなどの症状を訴えられるという症状は自律神経疾患を扱っていると頻繁にみられる症状です。

今回はなぜストレスによって、みぞおちや脇腹に不快感が出てくるのか?また、その解消法について、一緒に考えていきたいと思います。

この記事を読むことで、脇腹の不快感の具体的な対処法が理解できるようになります。

みぞおちや脇腹の不快症状は、東洋医学では胸脇苦満といわれ、古くからストレスが溜まると脇腹のあたりの不快感が出ることが知られていたようですが、現代医学では特別病名や症状名がありません。

過敏性腸症候群、胃潰瘍、狭心症などでも似たような症状が出ることがあるので、除外診断は必要な症状なので、一応病院での検査は必要になります。

これらの疾患がない場合にはストレスからの自律神経の乱れによって脇腹のつっぱりや痛み、息苦しさが出ていると考えられます。

臨床していると、これらの症状自体は肝臓の血流を良くしてあげると、改善することが多いことから肝臓に血が停滞していることが、不快症状を引き起こしていると私は考えています。

現代医学で定義される肝臓の鬱血というほど重症ではない為、病院の検査では異常は出てきませんが、突っ張る、苦しい、息苦しい、痛いなどの不快症状が持続することが多いです。

ストレスから脇腹やみぞおちが苦しくなるメカニズム

私達の身体はストレスを受けると、ストレス反応が起こり、交感神経優位の状態となります。

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交感神経優位の状態は、肝臓に血液を送っている肝動脈と門脈の血管を収縮させて血流を低下させます。(参考資料

道路に例えると3車線の道路が1車線に制限されたような状態になり、その結果、渋滞してしまうのと同じで、血液が肝臓で渋滞(停滞)します。

肝臓で血液が停滞することで、肝臓の血管内に留まる(停滞する)血液の量が増える為、肝臓が血液で膨れ上がった状態になります。

過敏性腸症候群、胃潰瘍、狭心症などでも似たような症状が出るのも、臓器の不調がストレス反応を引き起こす為だと考えられます。

不快感は肝臓周囲の臓器の感覚

肝臓自体には痛みを感じる神経がほとんど存在しない為、肝臓そのものがツッパリ感、痛み、息苦しいなどの不快症状を感じさせているというわけではありません。

これらの不快症状を引き起こしているのは、肝臓周囲の臓器や血管に存在する神経だと考えられます。

肝臓が血液で膨れ上がると肝臓に接している肝臓周囲の臓器や血管が圧迫を受けます。

例えば、横隔膜が圧迫されると息を吸いにくい、息苦しさや脇腹が突っ張るような不快感が生じます。

胃が圧迫されると痛みや、食事をとると胃が思ったように広がることができない為、胃痛などの症状を引き起こすことがあります。(機能性ディスペプシアと診断されている場合もあります。)

横隔膜や胃の血流を改善させて柔軟性を持たせることでも一時的に症状は改善しますが、それよりも肝臓へつながる血管や肝臓内部を通る血管の血流を改善する施術を行うと、継続的にみぞおちや脇腹の不快症状が改善されやすいです。

肝臓への血流を改善する方法

肝臓への血流が悪くなり、血液が停滞した結果、みぞおちや脇腹の不快感が出てくるメカニズムについてここまで説明させて頂きました。

ここからは、みぞおちや脇腹の不快感を改善させていくために具体的にどうすればよいのかについて解説していきます。

肝臓の血流低下から血液が肝臓に停滞した状態には大きく二つの段階があります。

第一段階

ストレス反応により一時的に肝動脈と門脈の血管が収縮して血液が停滞した場合です。

こちらはストレス反応を引き起こしている原因を取り除くことで肝臓への血流が正常に戻る為、ストレス反応を引き起こしている原因の除去をおこないます。

そのうえで、食事・睡眠・運動といった生活習慣を整える生活を継続していくことで、自然に回復して行くことが期待できます。

第二段階

継続的なストレス反応により、肝動脈と門脈の血管の収縮状態が慢性化してしまった段階です。

血管も平滑筋という筋肉でできた管である為、収縮した状態が継続すると凝り固まって血管が拡張できなくなってしまいます。

ここまで状態が悪くなった場合には、収縮した血管を強制的に拡張するように介入を行う必要が出てきます。

残念ながら、セルフケアで収縮して動けなくなっている血管を強制的に改善するということが難しい為、専門家による介入が必要になってきます。

もちろん、第一段階で行ったストレス反応を引き起こしている原因の除去、食事・睡眠・運動といった生活習慣を整える事も並行して行っていく必要があります。

まとめ

ストレスが原因でみぞおちや脇腹にツッパリ感や痛み、息苦しさといった不快な症状が現れるのは、肝臓への血流の停滞が大きく関わっていると考えることができます。

交感神経が優位になることで肝臓へ血液を送っている肝動脈と門脈の血管が収縮し、血液がスムーズに流れなくなることで、肝臓が膨張し、周囲の臓器を圧迫して不快感を引き起こしてしまう可能性があります。

これらの症状は、現代医学では明確な病名がつかないことも多く、原因がわからず不安を抱えている方も少なくありません。

しかし、肝臓への血流を改善することで症状が軽減されるケースが多く、適切な対処を行えば、日常生活の質も大きく向上します。

まずはストレスの原因を見直し、生活習慣を整えることから始め、必要に応じて専門家のサポートを受けながら、身体の内側から回復を促していきましょう。

当院での改善を希望される方は、自律神経失調症機能性ディスペプシアをご覧ください。

遠方で当院への来院が難しいけれど、心身の問題について相談したい方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

 

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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