子供が独立したら夫と暮らしていくことが苦痛になる?
結論:閉経後に子供が独立すると女性のお世話をしたい気持ちが低下するため、世話をしなくてはいけない夫と暮らしていることが苦痛になりやすい
女性の脳は生物的に人生で3回大きな変化が起こると考えられています。
1回目は思春期、2回目は出産・子育て、3回目は閉経です。
それぞれのステージで興味の中心が、恋愛・異性、子供、自分の人生・キャリアといった感じで、変化しやすいのが女性の脳の変化です。
女性脳は、お世話をすることに喜びを感じやすいようにできています。
例えば小さな女の子はおままごとなどで人形を赤ちゃんに見立ててお世話をするという遊びをする子供が多いです。
子育てによる喜びもおそらく男性よりも女性の方がより喜びを感じやすいですし、看護や介護など、誰かのお世話をする仕事を選ぶのは男性に比べて女性のほうが多くなるのも脳の特性が関係していると考えられます。
しかし、早い方ですと40代、平均的には50代前半で閉経が訪れると女性ホルモンの分泌が低下するため、女性脳の力が弱まります。
これが旦那さんと一緒に暮らしていくことに苦痛を感じるきっかけとなることがあります。
女性ホルモンの低下で良い人生を生きることへ興味が変化する
閉経により女性ホルモンが低下すると、誰かのお世話から女性の興味の中心は自分の人生へと向かいやすくなります。
女性ホルモンの低下による体調不良でお世話ができるほど元気でなくなるなどもありますが、元気な方でも自分の人生が子育てなど他者の世話をしてばかりで、自分がやりたいことをなにもやれていないことに気が付きやすい時期です。
まだ、子供が独立していない場合は子供の世話をしているので、女性脳の機能はある程度維持されますが、独立して子どもの世話がなくなると、自分の人生を良いものにしたいという思いが強くなっていきます。
長年夫婦生活をして奥さんに生活のお世話をしてもらっていた男性は奥さんの内的な変化に気が付かず、今まで通りにお世話をしてくれるという頭でいることも問題となります。
今まではそれほど苦痛ではなかった旦那さんの世話も、女性の人生を楽しむ障害に感じられるようになり、一緒に過ごす時間も窮屈に感じられます。
このズレは夫婦関係に深刻な問題となって立ちふさがります。
女性脳を復活させる?
この変化は女性ホルモンの低下によるものなので、ホルモン療法で女性ホルモンを補うことで再び夫婦関係が円滑に戻るという報告もされています。
女性ホルモンを補うことで乳がんなどのリスクは高くなるものの、骨粗鬆症、メンタルヘルスの安定など他の多くの疾患のリスクは低下する事も知られているため、ホルモン療法を受けて女性脳を復活させることも検討の余地があります。
第二の人生を生きる
女性ホルモンによって変化した自分を受け入れ、生活スタイルを変えて新たな人生を生きるのも一つの選択肢となります。
第二の人生を生きるためには、どうしても旦那さんの理解が必要となりますが、男性は女性ほどホルモン変化による脳の変化が起こらないため、話し合っても理解してもらえない可能性があります。
男性は定年退職を迎えてしまうと、自身の持っているコミュニティが奥さんだけという方も少なくありません。
その結果、仕事に使っていた時間やエネルギーも奥さんに向かうようになり、主人在宅ストレス症候になってしまいやすくなります。
奥さんは旦那さんのお世話から開放されて自由に行きたいという欲求が高まるよう脳が変化しているのに、旦那さんのほうは仕事が手から離れたため、奥さんとの時間をとりたいと思い始めるという状況が生まれやすいのです。
話し合って新しい夫婦関係を構築していく
お互いがお互いの趣味や時間、コミュニティを持ち、お互いが自分のことは自分でやる。
すべてのリソースを子育てに集中させるために構築していたい今までの一体型の夫婦関係から、ある程度お互いに独立した夫婦関係性にシフトしていくことができるのが一番理想です。
そのためには、退職前から旦那さんに趣味を持ってもらい仕事以外のコミュニティを持つように促したり、定年退職後も働きたいという意欲を持つようにしていくのが良いでしょう。
また、あなたも働き続ける(現在働いてなければ働きに出る)ことで経済的に自立した状態を作り出す努力も必要です。
あなたの趣味や友達との旅行など、ある程度自由にお金を使う状態になれば、より充実した生活を送ることができます。
老後も一緒に生きていくためには、子育て中とは異なる夫婦関係の再構築を行うことが重要になります。
熟年離婚も選択肢の一つとしてはあります
経済的に問題がなければ、熟年離婚をしてしまってそれぞれが快適な第二の人生を生きるというのも選択肢の一つです。
統計的にも旦那さんが長生きしている女性ほど寿命が短いことが知られていますので、夫婦関係の無理な継続が女性にとってストレスになり、寿命を縮めてしまう可能性は否定できません。
主人在宅ストレス症候群から、うつ病などになってしまって残りの人生を生きていくのもお薦めはできません。
経済的な理由から嫌だけれど離婚が難しいという状況に置かれている方は少なくありませんが、日本はセーフティネットが充実している国なので、心身の不調が出てくる前に、そういった社会福祉を利用することも検討しても良いかもしれません。
まとめ
女性は人生において3回脳が大きく変化します。
3回目の変化である閉経と子どもの独立によって、女性脳の特性が低下して、お世話をすることに喜びを感にくくなります。
その結果、夫の世話を今後しながら生きていくことに喜びを見いだせず、苦痛を感じるようになる場合があります。
女性ホルモンの変化による脳の変化なので、ホルモン療法で女性ホルモンを補うことも一つの解決策になる場合があります。
子供が独立した後は、今までの子育てに適した夫婦関係からお互いがある程度自立した夫婦関係へとシフトしていくことで旦那さんとの関係性を良好に保つことが可能になる可能性があります。
そのためには、定年退職前から旦那さんだけの趣味、コミュニティをもってもらうようにするなど、事前に子どもの独立後の生活に備えておくことが大切です。
また、あなた自身も経済力を維持する(もしくは働きに出る)など、旦那さんに経済的に依存しない状態を作り出しておくことで充実した人生を送りやすくなります。
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