ネガティブ思考が止まらなくなる原因と対処法

ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。

自律神経失調症、うつ病、パニック障害、全般性不安障害など、自律神経の乱れや精神疾患になるとネガティブ思考が止まらなくなります。

病気という状態ではない方でも、ネガティブ思考が止まらなくなってしまうことがあります。

今回はなぜ、ネガティブ思考が止まらなくなってしまうのか?その原因と対処法について一緒に考えていきたいと思います。是非、最後までお読みください。

結論:問題が発生している時にはネガティブ思考を回すことで脳は解決方法を探している。

現在の脳科学では脳の基本機能は予測することだと考えるようになってきています。(今後研究が進めばまた違った説は出てくると思いますが・・・。)

予測の元となるのは過去の情報です。情報が全くない状態で予測をすることは出来ません。

目の前に何らかのトラブル(人間関係のトラブル、お金のトラブル、仕事のトラブル、健康のトラブルなど)が発生したり、発生した状態が継続していると脳は過去の経験からトラブルを解消するために、役立ちそうな情報がないのかを検索します。

過去にあったネガティブな記憶から解決策がないかを脳は検索する。

過去にあったネガティブな記憶から解決策がないかを脳は検索する。

これが病気になって弱っている時であったり、生活上の悩み事を抱えている状態の時に起こってしまう為、ネガティブ思考がぐるぐると回って止められなくなってしまうのです。

記憶の中に答えに結びつく経験があれば、問題はすぐに解決されるためぐるぐるとネガティブ思考が回り続けることはありません。

このページではどうやれば、このネガティブ思考から抜け出すことが出来るのか?について一緒に考えていきましょう。

体調不良の可能性を考慮して体調を整える

ネガティブ思考が回りやすくなってしまう最も多い原因は、体調不良です。

当院のように鍼灸や整体を行う治療院で自律神経系の問題や精神疾患の改善が発生する理由はこの体調不良がネガティブ思考の原因になっている場合に有効になります。

パニック障害の方でも施術を受けて全身の筋肉の緊張がゆるむとリラックスして不安な事(ネガティブ思考)がぐるぐる回らなくなる方は一定数いらっしゃいます。

身体の緊張などであれば鍼灸や整体を受けるだけで改善しますが、人によって体調不良を起こしている原因が違う為、とりあえずまずは食事・睡眠・運動を中心に体調を整えていくことが大切です。

睡眠不足やハードワークは体調不良を引き起こしてネガティブ思考を回しやすくする。

睡眠不足やハードワークは体調不良を引き起こしてネガティブ思考を回しやすくする。

特に睡眠は重要で睡眠不足になると、ネガティブ思考が増えることがわかっています。ネガティブ思考を止める為に、飲酒をして気分を紛らそうとされる方がいますが、これは絶対にやめてください。

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問題を整理して境界線(バウンダリー)を明確にする

体調を整えてもネガティブ思考が体調に問題がない場合には、心理療法が有効になります。

ネガティブな思考が回り続けてしまう原因の多くは境界線(バウンダリー)が薄くて不明瞭な方に多いと言われています。

境界線が不明瞭というとよくわかりにくいですが、簡単に言うと自分にはどうすることも出来ないことまで出来ると誤認してしまいやすい思考特性を持っています。

イギリスのことわざ

馬を水辺につれていけても水を飲ませることはできない

馬が水を飲むかどうかは馬次第なので、人は他人に対して機会を与えることはできるが、それを実行するかどうかは本人のやる気次第であるという意味

引用:みんなの乗馬ブログより

境界線が不明瞭な方は馬に水を飲ませることが出来ると誤認してしまいやすい傾向にあります。

出来ないことを解決できるはずだと考えていると、脳は過去の記憶からネガティブな情報を検索して解決方法を探し続けてしまいます。

馬を水辺に連れていくことは出来ても、水を飲ませることは出来ない。

馬を水辺に連れていくことは出来ても、水を飲ませることは出来ない。

これがネガティブ思考がぐるぐると回って止められなくなってしまう原因となります。

注意したいのは、馬を水辺に連れていくこと自体を否定しているわけではありません。それは必要な努力です。

境界線というのは、自分が出来ることは馬を水辺に連れていくことまでだ!と自覚することです。

問題解決に対して自分が出来ることを明確にできると、問題解決の為に脳はそれ以上過去のネガティブ情報を検索してネガティブ思考を回すことはありません。(体調が悪い場合は別です。)

ネガティブな記憶が多い人ほどネガティブ思考に陥りやすい

前述した通り、私達の脳は過去の記憶のデータベースから予測をします。この予測というのは目の前に今あるものが何であるのか?ですら予測なのです。

私達の脳は目の前の事象を記憶のデータベースに照らし合わせて物事を認知するというようにできています。

例えば服をかけるのに用いるハンガーを見た時に、日本人の多くはすぐにそれがハンガーだと認識できます。

それは、ハンガーがどういうもので、何に使うのかといった記憶のデータベースを持っている為、直ぐに服をかけたり、干したりするために用いる道具だと認識できるからです。

しかし、昔ながらの狩猟採集をしている○○族というような人たちにハンガーを見せてもハンガーに関する記憶のデータベースを持たないので、それが何であるのかよくわからないのです。

もしかすると、狩りに用いる弓と認識するのかもしれません。

脳は記憶のデータベースを使って目の前の事象を予測して理解する。

脳は記憶のデータベースを使って目の前の事象を予測して理解する。

私達は、同じ事象を見て違う感じ方をするのは異なる記憶のデータベースを持っているからです。

ネガティブな記憶のデータベースが作られている人ほど、目の前に現れた事象からネガティブな記憶を呼び出し、ネガティブな未来を予測します。

ネガティブ思考に入りやすいのは、ネガティブな記憶のデータベースを持っていることにあるといっても良いのかもしれません。

まとめ

問題が発生している時には脳はネガティブ思考を回すことで問題の解決方法を探しています。

その為、何か問題が発生するとその問題を解決する方法が過去の経験(記憶)に存在しないのか?を検索するようになります。

この時に、ネガティブな思考や感情が意識に浮き上がってくるためネガティブ思考がぐるぐると回りやすくなってしまいます。

体調が悪いと脳はその体調の悪さを解消しようとして、ネガティブ思考をぐるぐる回します。その為、鍼灸や整体などで体を整えるといった方法が有効な場合があります。

しかし、まずは食事・睡眠・運動を中心として体調を整えることが一番大切です。

特に睡眠不足はネガティブになり易いことが研究によりわかっていますので、注意しましょう。

ネガティブ思考が体調によらない場合には、境界線が不明瞭になっていないかチェックしてみましょう。

自分が出来ることと出来ないことの境界線が不明瞭になっているとネガティブ思考が回りやすくなりますので、何が出来て何が出来ないのかを明瞭にすることが大切です。

私達の脳は記憶から目の前の事象を認識し、未来を予測するようにできていますので、ネガティブな記憶データベースを持っているとネガティブ思考が回りやすくなります。

ポジティブな思考にする必要はありませんが、ニュートラルに現在の状態を認知する訓練(CBT:認知行動療法)などが有効な解決策になります。

当院でネガティブ思考の改善に向けたカウンセリングを受けたい方はお問い合わせよりカウンセリング予約をお取りください。

遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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