こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。
お子さんが不登校になると不安・心配になってしまい親御さんまで体調不良になってしまう場合があります。特に不登校は原因がよくわからないことが多い為、○○をすれば不登校から脱却できるというものではありません。
今回は子供が不登校になった親御さんが第一に気を付けたい親御さん自身の健康の重要性について一緒に考えていきたいと思います。ぜひ最後までご一読ください。
結論:親御さんが健康で支え続けられる状態を維持しましょう。
お子さんが学校へ行けなくなると、自分達の子育てに何か問題があったのではないか?
学校へ行き渋った段階で話を良く聞いてあげられれば良かった。
そういえば、○○みたいなことがあって、あれは子供からのSOSだったのに気が付いてあげられなかった。
子供を追い詰めるようなことを言ってしまった。
このまま学校へ行けなかったら子供の将来がめちゃくちゃになってしまう・・。
子供の成長だけが楽しみだったのに、学校へ行けなくなってしまって、どうすればよいのかわからない。
このような心理ストレスから、親御さん自身が体調を崩して、不眠・自律神経失調症・適応障害になってしまうケースがあります。
子育てについて客観的に振り返ること自体は大切です。
しかし、過去に行ってきたこと。まだ、どうなるかわからない未来に意識を向けて強い心理ストレスに耐えるという状態にはしないでください。
仕事にも支障が出て経済的に困るだけでなく、お子さんの食事・洗濯・掃除といった生活全般のお世話を行うことが出来なくなってしまいます。
なにより、子供を支えてあげられるのは親御さんしかいませんから、心理ストレスを抱え込みすぎない予防が大切です。
お子さんを支えることはもちろん大切ですが、お子さんを元気にしたい気持ちから自分の心身について無頓着にならないでください。
支え続ける為に親御さん自身が心理ストレスから自分の体調を崩さないように気を付けることが一番大切です。
不登校解消よりもまずは事実を受け入れましょう
多くの親御さんが子供が学校へ行けるようになってさえくれれば、すべての心理ストレスが解消されると考えて不登校を解消する事に全力を尽くしてしまいがちです。
しかし、不登校になっている事実をまずは認め、受け入れることからはじめてみましょう。
この受け入れるというのは、親御さんにとってはとても辛い行為になることが多いです。
なぜなら、親御さん達が必死で行ってきた子育てが間違っていた、(実際にはそういうことではないですが・・)自分たちがダメな親であるような感覚になり易いからです。
不登校の原因は子育てが影響するもの、影響しないもの、影響しているけれどそこまでウェイトが大きくないものなど様々です。
元々改善の余地が全くない完璧な子育てなどありませんし、改善した方が良い部分があれば改善すればよいだけです。
物凄く良い子育てをしていても、遺伝的に物凄く神経過敏な体質を持った子供の場合はどう育てでも不登校になってしまうこともあります。
親御さんの努力や苦労がすべて間違っていたわけではありません。
「学校へ行くことがこの子にとっては辛いことなんだ。」
この現実だけを「良いとか悪いとかジャッジせず」に受けいれてみてください。
「私達の子育てが間違っていたのではないか、私達が親としてダメな部分があったから不登校になったのではないか」など、証明できない事を延々と悩み続けると体調不良が起こってきてしまいます。
子供が学校へ行ける状態ではないという、事実だけをなるべく客観的にとらえるようにしてください。
親御さんの心理ストレスのメカニズム
私達は、予想(期待・理想)に比べて現実にギャップがある時に心理ストレスを受けます。
学校へ行けるのが当たり前、行けるはず、私達の子供に不登校なんて関係ない。
そういった予想(期待・理想)をずっと無意識でしていて、それが現実と揃わないことから心理ストレスが発生しています。
まずは、予想(期待・理想)が現実にギャップが生じているという事実を認識してみましょう。
現実と予想のズレを解消すれば心理ストレスは解消されます。
心理ストレスを解消するには現実を変えるか、予想を変えるかして現実と予想とのギャップを埋める必要があります。
しかし、不登校になっているという現実を変えることはとても難しいことです。
なぜなら、不登校になっているのは親御さん自身ではなく、肉体も人格も別に持っている子供が当事者だからです。
不登校になっているのが親御さんであれば、親御さんが頑張って努力して現実を動かすことは可能かもしれません。
しかし、実際には不登校になっているのは子供で、最終的に不登校に対してどういう解決をしていくのかは子供自身が解決していく問題です。
親御さんにできるのは子供の決断と行動をサポートしていくことになります。
子供の問題は親御さんには変えることは出来ないことなので、親御さんの予想(期待・理想)を現実に揃えていくことが心理ストレスを減らすためには必要になります。
「今、私達の子供は学校へ行ける状態ではない。」この事実を自分の予想(期待)として据え置くことを意識してください。
高校生や中学性の場合は、出席日数の問題や進路の問題が出てくるので親御さんとしては落ち着いていられないかもしれません。
起立性調節障害など、疾患によって学校に行けなくなるお子さんもたくさん見させて頂いていますが、死ぬわけではありません。お子さんたちは自分で自分の人生を生きていきます。
子供の問題を親御さんが解決しようとしていないか?親御さんの子供にこうあって欲しいという理想を子供に向けていて、実際の子供の姿を見れているのか?自分自身と向き合ってみてください。
ストレスでズルズル体調不良を悪化していってしまうとどんどん判断力が低下してきてしまうので、体調が良い間に現実を受け入れることをまずは行っていきましょう。
子供が大切だからこそ親御さんのケアを優先しましょう
親御さんは子育ては大変だけど、お子さんのことがかわいくてかわいくて仕方がないと思います。子供の為だったら自分はどうなっても構わないと思われる親御さんの気持ちもわかります。
しかし、親御さんの自己犠牲は長期的には子供にとってマイナスに働きます。
親子で共倒れにならないように注意が必要です。
子供を助けるには自分を犠牲にしてはいけない
飛行機に乗るとフライト前に酸素マスクの使い方を説明で、必ず「ご自身が先にマスクを装着してから子供」という順番でマスクの装着を手伝うように説明されることをご存知でしょうか?
感情としては子供に先にマスクを装着させたくなりますが、まずはご自分のマスク装着をするように説明しています。
これはなぜかというと、子供に先にマスクの装着操作を行っている途中で親御さんが意識を失ったら二人とも亡くなってしまうからです。
親御さんが先にマスクを正しく装着して、意識を保てる状態にしてから子供のマスク装着を手助けすることで二人とも助かりやすく為、必ずご自分のマスク装着が終わってからという順番になっています。
基本的にはこの考え方と同じです。子供を助けるなら親御さんが無事でいることはとても重要です。
子供が不登校でどうしようという悩みを悶々と考えている時間が長くないでしょうか?
子供が学校へ復帰する為の調べ物をしている時間が夜中までしていないでしょうか?
不登校になっていることが、頭から離れなくなってしまっている場合には、まずは親御さん自身の心理的なケアを優先させる必要があります。
カウンセリングを受ける、辛さや悩みを聞いてもらうことも大切です。
まとめ
・支え続けられるように親御さんの健康に気を使いましょう。
・事実を客観的に受け入れることから始めましょう。
・予想(期待・理想)と現実のギャップを予想を意図的に変更することで調整しましょう。
・自己犠牲は子供にとってマイナスになることを理解しましょう。
・不登校で毎日悩み続けるようになったら早めに心のケアを行いましょう。
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