落ち込みやすい、他人にイラつく人が知っておきたい心の法則

こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。

何か失敗して落ち込んでしまう。他の人にイラつきやすい。

今回はメンタルが安定している人がやっている落ち込んだり、イラつかないための心の法則について一緒に考えていきたいと思います。ぜひ最後までご一読ください。

 結論:自分の期待値を振り返る

近年、私達の脳の主な機能は未来を予測する(期待値を設定する)ことではないかと考えられるようになってきました。

私達が他の動物と大きく違う点は二足歩行と体格に不釣り合いな大きな脳ですが、大きな脳を獲得したことで、未来について考える能力(期待)を獲得しました。

私達が日常的に感じるストレスの多くは、予測した未来(期待値)に対して現実が悪い方向へ一致していないときにストレスをより多く感じます。

ストレスに強くメンタルが安定している方の多くが、予測した未来に対して現実が悪い方向へ不一致になることが少ないことがわかっています。

ストレスに強く、メンタルが安定している人の多くが的確な期待値の設定が出来ているということです。

落ち込みやすかったり、他者に対して不平不満を感じやすい、イラつきやすいという方は、自分の予測した未来(期待値)を一度振り返ってみることで、落ち込みにくくなったり、不平不満や怒りを感じにくくなるヒントとなるでしょう。

期待と現実の差が私達の感情を決める

私達の脳は自動的に期待値(これぐらいの結果が得られるだろう)を設定します。

この期待値が現実と比べて高すぎると私達は落ち込んだり、不満を感じたり、イラつくなどの感情を感じることになります。

例えば、一生懸命勉強したのにテストの点数が思ったよりも取れなかったと落ち込む。
例えば、恋人に仕事の愚痴を話したら、それは上司の言い分が正しいといわれてムカつく。
例えば、高いけどとてもおいしいと評判のお店に行ったのに、美味しくなくてがっかりした。

私達が日常生活をしていると、期待と現実にずれを感じてストレスを感じる場面はいくらでもあります。

こういった嫌な感情が発生した時に、期待と現実の差が私達の感情を決めることを知って

私はどういう期待をしていたのか?

ということを振り返ってみましょう。

○時間ぐらい頑張って勉強したら〇点ぐらいは取れるだろう。
私の恋人なら私の気持ちを理解して慰めてくれるだろう。
ネットの評価がいいなら美味しいだろう。

こういった期待値を設定していたからこそ、落ち込んだり、イラついたり、がっかりしてしまうのです。

ここで設定した期待値の根拠はよくよく考えるとたいして根拠として信頼性のある情報でもデータでもないことが多いです。

私達は現実が期待値に揃わないことに対してネガティブな感情を感じます。期待値が現実に近い期待値を設定することが出来れば、ネガティブな感情の発生頻度を減らし、メンタル的にも安定しやすくなります。

あなたが嫌な気分になり易いのは、もしかするとあなたの脳が自動的に設定する期待値(未来予測)が、現実的で適正な水準よりも高く見積もられやすいという脳の癖が根本的な原因かもしれません。

自分の期待値を適正にする

ストレスを感じにくかったり、感情のコントロールが上手な人は、無意識レベルで勝手に設定される自分自身や他者に対しての期待値の設定が適正であるようです。

そういったストレスに強い人や感情コントロールが上手な人の期待値の設定を意識的に真似ることで私達も期待値を適正にコントロールして、無駄なストレスを受けにくくしたり、感情の起伏を適正にしていくことが可能です。

前述の例であれば
・○時間頑張って勉強できたことが既に凄いこと。結果は出題される問題などの運もあるから努力と結果は必ずしもイコールではない。

・私の一番の理解者である恋人ではあるけれど、私のすべてを理解できるわけではないから必ずしも私に共感して慰めてくれるわけではない。

・ネットの評価が良いけれど、味の好みはみんな違うから私がおいしいと感じるのかは食べてみないとわからない。

といった感じに、自分が無意識に設定した期待値を振り返った後に、適正な期待値を設定しなおしていきます。

また、こうあって欲しいという希望と期待値をイコールでつないでしまうと高い確率でメンタルが削られるので希望と期待値を明確に分けることが大切です。

自分のルール(信念)を崩す

無意識的に設定される期待値には自分の中の常識(ルール、信念)が深く関わってきます。

普通は○○であるべきであるというルールで心理学的には信念といいます。

例えば、目を合わせて話をするべき。という信念を持っている人は、目を合わすことが苦手な人との対話でストレスを感じます。

例えば、順番は守るべき。という信念を持っている人は、横入りに対して必要以上に怒りを感じます。

例えば、マスクはするべき。という信念を持っている人は、マスクをしていない人に対して嫌悪感を感じます。

といった具合に、自分の中の信念が多いほどストレスを感じることが増えるので、感情が揺さぶられて感情コントロールが苦手になっていきます。

マスクなどはわかり良い例ですが、数年前までは私達はマスクをしていない人に不快感を感じることはありませんでしたが、現在は多くの方が不快感を感じるようになっています。

こういった信念は経験により形成されていきますので、「その証拠はあるか?、本当にそうなの?」など、自分自身に対して証拠を求めていく論理療法を行っていくことで崩すことが出来ます。

信念が崩れるとストレスになることが減り感情が安定しやすくなります。

話し合いの際はお互いの期待値に注目する

対人関係のトラブルの多くは自分が提供できることと、相手が求める期待との間に差があることです。

例えば、恋人に仕事の愚痴を話したら、それは上司の言い分が正しいといわれてムカつくという場合には、お互いの期待値にずれが生じています。

私側は恋人に対して「私のことを理解してくれて、共感して、慰めてくれる」
恋人側は私に対して「上司の言い分が正しいから合理的に判断して行動できる」

という期待を持っているからこそ、お互いにこのような行動をとっています。

しかし、恋人は私のことをそこまで理解できていないのかもしれないし、共感したり、慰めるということがそもそも得意ではないのかもしれません。

恋人側は私がもっと合理的に物事を考えるのが得意で、感情で行動しない人だと思っているのか、どんな時でも合理的に動くことはそんなに難しいことではないと考えているのかもしれません。

お互いに相手の能力(現実)に対して誤解した(共感能力が高い、合理的に考えるのが得意)状態で期待値を設定していることが多いのです。

こういった対人トラブルはよく見られるもので、相手の能力(現実)への期待が相手の能力以上のこと(理想)を求めており、それを「努力が足りないせいだ」と努力に原因を持ってきてしまっていることです。

特に自分が難なくできてしまうことは、他人も難なくできると私達は考えてしまいがちです。

だからこそ、それが出来ないのは努力が足りないせいだという相手の努力不足になり、相手を批判することになるので喧嘩へと発展していってしまいます。

相手の期待値に合わせるより適正な期待値を提示する

相手が自分に求めていること(相手の期待値)を感じた場合、自分の能力(現実)と照らして過度な期待を相手が持っている場合には適正な期待値を提示しなおすことも大切です。

真面目な方ほど、相手の期待に応えようとしてしまいますが、それは自分の能力(現実)と照らして適正な期待値であるかを一度振り返ることが大切です。

期待を裏切ってダメな奴だと思われるのではないか?と怖くなる気持ちもわかりますが、相手の期待値が高すぎる場合には現実が見えていない相手の問題になるので、期待が高すぎることは伝えることが大切です。

メンタルが強い方は、自分が出来ないことや苦手なことは出来ない、苦手であるということを相手にしっかりと伝えます。

日本は恥の文化といわれますが、出来ないことでも無理して引き受けてしまって苦しくなっている方がとても多いです。

体調が悪くても迷惑かけるから休めないなども典型的で、うつ病や適応障害という診断が下りるレベルになって医師に止められるまで、頑張り続けてしまう方が本当に多いです。

出来ないことは出来ないでいいのです。あなたがダメな事ではありません。

まとめ

・期待と現実のギャップによってネガティブな感情になってストレスを受けやすくなる。

・メンタルが安定している人は期待値と現実が一致していて、未来予測が正確にできている。

・自分自身の期待値が高く設定しやすいことを自覚し、適正な期待値へ設定しなおす。

・対人ではお互いの期待値と現実にずれがないかを確認しよう。

・他人からの過度な期待に対しては、適切な期待になるように言葉で伝えよう。

 

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心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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心理・脳科学
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