落ち着かない、そわそわする、ざわざわする原因

こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。

パニック障害、全般性不安障害、自律神経失調症になると、原因のない、理由のわからない不安やザワザワする感覚に襲われる場合があります。

脳の誤作動による症状の為、脳が正常に機能するようになれば症状は落ち着いてきます。

今回は原因不明の不安、ザワザワとどう付き合っていくのかについて一緒に考えていきたいと思います。ぜひ最後までご一読ください。

 結論:ほとんどの場合は脳の疲労によるもの

不安やザワザワといった落ち着かない感じは感情を作り出す大脳辺縁系(脳の深い部分)によって発していると考えられています。

通常であれば前頭前野(脳の表面)という部分が危険がないと判断してから、大脳辺縁系に興奮をやめるように指令を出して不安な感情を鎮めます。

しかし、前頭前野が疲労していたり、機能が低下していると、危険がないと正しく判断できなかったり、感情を鎮める指令がを出せなかったりということが起り、結果的に原因のわからない不安感に悩まされることになります。

前頭前野の機能が回復して正常に働くようになると、原因のわからない不安やザワザワとした感覚というのは少なくなっていきます。

脳の疲労を回復させることで、原因不明の不安、ザワザワは解消されていきます。

脳の疲労を引き起こしてしまう原因

脳の疲労を引き起こしてしまう原因はケースバイケースで非常にたくさんありますが、多いものをご紹介していきます。

睡眠は脳の疲労を回復させるためにとても重要な行為ですが、睡眠時間が短い、不規則な生活リズム、悩み事・心配事などの心理ストレスで興奮して眠れない、首肩こりがひどくなって脳への血管が圧迫を受けて脳血流が低下している、悩み事はないがリラックスできないなど、睡眠に問題があると脳が十分な疲労回復をすることが出来ず、徐々に疲労がたまっていってしまいます。

また、仕事や勉強の過剰、筋トレの行いすぎ(オーバートレーニング症候群)、常に悩み事をしていて頭の中で同じ思考ばかりをしている。

大人であれば1日2時間以上、子供の場合は1日1時間以上のデジタル機器の使用(スマホ、タブレット、ゲーム機)をすると、前頭前野の機能が低下し、デジタル機器の使用をやめてから数時間から数日間は機能が戻らないことがわかっています。

まずはこういった脳の機能低下を引き起こしている原因を可能な限り生活の中から取り除いていくことをまずは行う必要があります。

間違った薬の使い方で悪化させる

不安やザワザワに気が付いて病院へ行くと安定剤や抗不安薬などを処方してくれることが多いです。

その際に薬を正しく使わないことでさらに悪化していく場合がありますので、薬によって悪化させてしまう典型的なものについてご紹介していきます。

よくある間違った頓服薬の使い方

病院に行くととりあえずは辛い時だけ使う頓服薬を処方されることが多いです。不安やザワザワとした感じが和らぐ場合には頓服薬を使うこと自体は問題ありません。

しかし、とてもよく効くからという理由で、不安やザワザワする前から予防的に飲んだりという医師から指導されている「辛い時に飲む」という用法とは違う使い方をするのは辞めましょう。

原因のわからない不安やザワザワという感覚は気持ちがいいものではありませんから、症状が出ていなくても予め薬を飲んでおけばそれが起こらないなら一応飲んでおこうという気持ちもよくわかります。

しかし、予防的に頓服薬を飲むのは悪化の元です。

頓服薬は苦しい時にだけ使うという基本を、医師の指示通りに使うからお薬は安全に使えるのです。

薬の本来の役割は脳の休養を促進すること

頓服薬の本来の目的は、不安やザワザワといった不快な症状からくるストレスを軽減させて余計なストレスを与えない状態で脳を休ませることにあります。

しかし、不安・ザワザワを薬で鎮めて脳に負担をかける活動をしてしまっては頓服薬を使っている意味がなくなってしまいます。

頓服薬は不快な症状からくるストレスを軽減させて余計なストレスを与えない為に使用します。

症状が落ち着いたからといって他の活動でストレスをかけてしまっていては、いつまでたっても回復しません。

例えば、足が折れた時に痛み止めを打って痛みが良くなったとしても、治るまでは固定するのと同じで、痛み止めを使用して無理をしていいわけではありません。

それと同じように頓服薬を飲んで症状が落ち着いたからといって、活動して良いことにはならないのです。

本来は休ませないといけない脳を薬の力で無理に活動できる状態に持ってきているので、さらに深刻な脳の疲労を引き起こす危険性があります。

頓服薬はあくまでも、辛さを軽減して脳の休養するための薬であって、辛さを軽減して活動するための薬ではありません

薬を飲めば○○出来る。という場合であっても、基本的にはその使い方は間違いです。

どうしても今日だけは頓服薬を飲んで○○しなければあなたの人生や大切な方の人生が終わってしまうぐらい、重要な事態であれば例外的にそういった使い方をすることも否定はしません。

しかし、薬がないと日常生活が維持できないのであれば、薬を使用しなくても日常生活が遅れるレベルまで日常生活の負荷を落とすように環境を整えることが大切です。

ストレス反応を減らして、脳の休養のために使うというスタンスでお薬は使うようにしましょう。

無理を続けた最悪の結果

脳はストレスを持続的に与え続けられることで、神経細胞が死滅し萎縮することがわかっています。

知っておいていただきたいことは、神経細胞が死滅し、萎縮した脳を元の状態に戻すことは今の医学ではかなり難しいということです。

頓服薬で症状をごまかしながら、脳の休養も取らない生活を長年続けてしまうと、原理的には神経細胞が徐々に死滅し、脳の萎縮を促進する条件を整えていることになります。

医療者が予防や早期治療の大切さを訴える理由は、治療によって死滅した神経細胞が復活し、萎縮した脳が回復したという事例がある一方、全員に当てはまらない為今の医学で元に戻すことが出来ない事態は間違いなく存在するからです。

不安障害のほとんどは、適切な対応をすれば日常生活にほとんど以前と変わらないレベル(日常生活に支障がないレベル)まで状態が改善します。

しかし、適切な対応と治療を行っていないと寛解したレベルであってもほとんど外出できない、不安で何もできないという方はいらっしゃいますし、医学ではどうにもならないほど神経細胞がダメージを受けてしまっている方もいます。

薬を使って神経細胞を破壊して取り返しがつかない状態に自分を追い込まないように注意しましょう。

脳の疲労を回復させる方法

脳の疲労を回復させるには脳が回復しやすい条件を整えてその状態で十分な休養期間を確保するということが基本になります。

  1. 心理的、身体的なストレスの除去
  2. 十分な睡眠と規則正しい生活
  3. 脳に必要な食事(タンパク質、ビタミン、鉄、血糖コントロール、腸活など)
  4. 脳への血流が良い状態になるよう首肩こりを改善
  5. 十分な期間休養する

当院に来院される方も基本的には、この5つが行えているのかをチェックし、問題が発生しているところにアプローチをしていきます。

首肩こりから脳への血流が悪いことで、睡眠がしっかりとれなかったり、脳への血流不足が起きている場合には鍼灸や整体だけで不安感、ザワザワが鎮まる方も多いので施術が一番有効なこともあります。

当院での改善をご検討の方はパニック障害全般性不安障害自律神経失調症をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、相談したい方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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