朝、起きると吐き気、腹痛、頭痛で休んでしまう原因と対処法(適応障害)
結論:原因となるストレッサーから離れて、十分な休養をとりましょう
私達は学校や仕事へ行かなくてはいけないことを論理的にわかっていても、怖くなる・動けなくなる・涙があふれてくる・震える・吐き気・腹痛・頭痛・動悸など、交感神経の過剰状態が起こってしまうことがあります。
大人であれば初期は適応障害として扱われることが多いです。子供の場合は不登校の進行期によく見られます。
論理的には職場・学校へ行かなくてはいけないと考えており、本人も行こうとしますが行こうとすればするほど症状が重くなってしまい、どんどん行くことが出来なくなってしまいます。
はっきりと職場・学校へ行きたくないと自覚できている方よりも、職場・学校へは行かなくてはいけないと真面目に考えている人の方がこのような状態に陥りやすくなります。
ストレスとして自覚がない(感情を抑圧しすぎて自覚できなくなっている)ことも多いため、現実を受け止めることから始めていきましょう。
特に休みの日は症状が軽かったり、ほとんど症状が出てこないという方はストレス性障害(適応障害)の可能性が高いので、さらに悪化させてうつ病へ病気を進行させないよう注意しましょう。
ストレスは自覚があるわけではない
ストレスは必ずしも「嫌だ」という感情が伴うわけではありません。
自覚的にはストレスだと思っていないものでも身体の中でストレス反応が起こっていればそれはストレスとなります。
ストレス反応を調べる方法としてだ液の中のコルチゾールを調べるという方法がありますが、ストレス反応が起こっていれば交感神経が高まりやすくなるため、何らかの自律神経症状が発生してきます。
ストレス反応は元々捕食動物などの天敵から身を守るために急激に交感神経を高めて生き残るために発達したシステムです。
それが仕事、学校がある日は体調が悪くなってしまうが、休みの連絡を入れたとたんに辛い症状が消失したといった特殊な症状の発現パターンです。
そこで重要なのが、どのタイミングで症状が出るのか?どのタイミングで症状が消失しやすいのか?を分析していくことです。
例えば、学校は嫌だけれど自宅で勉強している分には何の症状もなければ、学校という場所かそこに付随する勉強以外の何か(先生、友達、集団生活、競争など)がストレス反応の原因の場合があります。
しかし、自宅で勉強している時も症状が出るようであれば、嫌がっているのは勉強そのものや勉強の出来を数字によって評価されることの可能性が出てきます。
まずは、どのような条件の時に辛くなるのかを観察することが大切です。
一旦完全に休養する
具体的に何にストレス反応を起こしているのかが、ぼんやりでもわかったら、まずは徹底的にそのストレス反応を引き起こす事柄から距離を取りましょう。
現状抱えている問題を放置するのはよくないことだと考えられると思いますが、適応障害の治療の基本はストレス原因から離れて休息をとることです。
具体的には仕事・学校に無理に行こうとしない。(予め休むことを決めておく。)
社会人なら病院へ行き適応障害などの診断書を書いてもらって傷病手当金をもらいながら休職するなどです。
自律神経自体へのダメージが少なければ、休んでいる間は症状は軽くなるか消失します。しかし、体調が良くてもすぐに復帰しようとしないでください。
まずは、脳の機能全体が回復するように十分休んで休息をとり、神経系の機能を回復させることが大切です。
何のストレスもかからない状態で体調が安定することから改善の第一歩が始まります。
直ぐにリラックスできるわけではない
休みはじめてもほとんどの方がリラックスして休息できるわけではありません。
休むことに負い目を感じたり、悪い事をしているような罪悪感からリラックスできずに、体調不良がなかなか改善していかないこともあります。
通常はすぐに休んでも、リラックスの仕方のコツをつかむのに1ヶ月ぐらいかかり、そこから1ヶ月休養して脳の機能が回復し、1ヶ月かけて徐々にリハビリをして復帰していくというプロセスをたどります。
休職期間が3ヶ月ぐらいになり易いのはこのような理由からです。
せっかく休んでいても頭の中で、本当は仕事や学校の勉強を頑張らなくてはいけないのにこんなことしていてはダメだ!と自分にプレッシャーをかけていては意味がありません。
休んでいるんだけれど、本当にこの選択で良かったのだろうか?と不安になって頭の中でぐるぐる悩みこんでいるとなかなか休養して脳の機能を回復させることが出来ません。
そのような状態になると、復帰までの休養期間はダラダラと伸びていき、場合によっては休んでいる事への罪悪感やストレスから休んでいるのに徐々に悪化していく場合もあります。
きっぱりとあきらめることが大切です。
復帰に向けたリハビリをしていく
ストレスのかからない状態で体調が回復して安定してから、いよいよ再び仕事や学校への復帰に向けて徐々にリハビリをしていきます。
しかし、必ずしも元の環境に戻ることが出来るわけではありません。
起立性調節障害や不登校の子供は学年が変わったクラス替えのタイミングや進学で環境が変わり、再び学校へ行くことに抵抗感がなくなることもあります。
修学旅行、体育祭などのイベントに参加したことをきっかけに周囲の人間関係が自分が想像していたものと異なっていたと気が付く(環境そのものは変化していないが、自分の中で環境のイメージが変化した)場合でも再び学校へ行けるようになることがあります。
社会人であれば会社が復帰の際に部署異動や職種、作業内容の変更を行うなどをすることも多く、復職プログラムがあることが多いです。
復帰するのに必要なことは、環境の変化や環境へのイメージ的な変化を必要とすることが多いです。
それでもダメなら別の道を探る
社会人であれば傷病手当金をもらいながら休職し、体調が整ってから産業医と相談しながら復帰するという形態をとることが多いです。
しかし、会社自体に強い嫌悪感が出てしまっている場合には、傷病手当金を受け取っている間に転職活動をしたり、起業準備をするなど、自分に合った環境を模索することも大切です。
私自身はパニック障害から社会復帰する段階で再就職も考えましたが、パニック障害になった職場がパワハラがひどかったため、上司がいるということを考えただけで怖くなってしまう状態でした。
鍼灸師という資格を持っていたため、上司のいない適応できる環境を開業という方法で構築していきました。
学生であれば中学生までは勉強そのものに嫌悪感がなければ、塾、家庭教師、フリースクールなどで学力の低下を防ぐことを検討しましょう。
高校生以上の場合には、通信制の高校への編入や高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定(大検))を検討することも選択肢になってくると思います。
ストレス障害で人生が閉ざされたように錯覚しますが、あなたの人生はまだやり直せます。
まとめ
仕事や学校がある朝に体調不良や気分の落ち込みがある場合には、行きたくないという自覚が自分になくても無理することは辞めましょう。
自覚できなくてもあなたの脳の一部は仕事や学校へお行くことに危険を感じて、あなたを守る為に止めている場合があります。
自分で○○が嫌だという自覚がなくても、体調不良や感情の変化が起こる条件を探していくことであなたの自律神経に負担になっていることがぼんやりでもわかってくる場合があります。
原因となっているものから一度しっかりと距離をとり十分な休養をとることが大切です。
休養を取り始めてからすぐに回復するわけではありませんが、割り切って十分に脳を休ませることが大切です。
体調が安定してから、徐々に社会復帰へのリハビリとどのように社会に戻っていくのかを試行錯誤していきましょう。
当院での改善をご検討の方は自律神経失調症、起立性調節障害、適応障害をご覧ください。
遠方で来院が難しいけれど、生活習慣や改善について相談したい方はオンラインカウンセリングをご利用ください。