起立性調節障害で寝れない原因と治し方

起立性調節障害で寝れない原因と治し方

結論:体内時計がズレてしまっていることが原因の為、ズレた原因を取り除くことで改善していく

起立性調節障害のお子さんが寝れない原因の多くは睡眠相後退症候群(生活リズムが一定時間後方にずれてしまう状態)になってしまうことが原因です。

私達の身体は朝起きて目から光が入った時間から16~18時間後に眠くなって睡眠に入るような仕組みになっています。

起立性調節障害になると、朝起きられないことが多い為、体内時計の時間が後ろにずれやすくなります。

それ以外にも、スマホやゲームなどで夜、目に光が入っていることも、体内時計が乱される原因となります。

起立性調節障害になると長く眠らないと睡眠不足になってしまい頭痛などの体調不良がひどく出るお子さんも多く、睡眠の異常によって朝起きられない場合には睡眠障害の改善が必要です。

睡眠時間が延長されて起きられない

睡眠時間が延長されて起きられない

睡眠時間が平均的なら生活習慣を見直すことで改善が期待できる

睡眠時間が7~8時間以内であれば、睡眠時間そのものは正常範囲内なので、体内時計だけが後ろにずれこんでいる可能性がある為、以下のような対応が効果的な場合があります。

起床時間を少しずつ早めて、夜は光を見ない

体内時計をそろえるには、朝日を目から入れる事と、夜に光を目に入れないことが重要になります。

今の生活リズムから10分ずつなど、少しずつ生活リズムをはやめていくことで体内時計をそろえていくことを狙います。

また、内臓の体内時計をそろえるうえで、少量でよいので朝食を食べるようにしてみるのも大切です。

強引に合わせる方法として、徹夜して朝光を浴びて、次の日の夜までずっと起きているようにして合わせる子供もいます。

運動で疲れさせて一気に合わせる

お勧めは水泳ですが、運動で十分肉体が疲労すると回復のために早く眠たくなります。

早く眠ることで結果的に朝起きる時間が早くなって目から光を入れる時間が早まれば、体内時計をそろえやすくなります。

デジタル依存に陥っていると改善が難しくなる

ゲームやスマホ、タブレットなどのデジタル機器を長時間使用した脳は、アンフェタミンという覚せい剤を使用した後と似たような興奮状態になり、数日間興奮が鎮まらないことがわかっています。(興奮して眠りにくい)

デジタル機器の長時間使用による弊害は個人差がありますが、東北大学の川島隆太先生の研究では未成年の場合には1日1時間未満の使用であればさほど悪影響がないと報告されています。

参考書籍

『オンライン脳』公式サイト

しかし、デジタル依存状態に陥っている場合には、無理に取り上げると親子関係を悪化させてしまったり、離脱症状によるストレスから起立性調節障害の症状が悪化することもある為、対応が難しくなります。

睡眠時間が長くなっている場合は無理に生活リズムを整えない

睡眠時間が8時間よりも長くなっている場合には、無理に生活リズムを整えるようにすると睡眠不足から体調不良が悪化することが多いです。

身体が緊張している場合はリラックスしやすいように鍼灸が有効です

首肩こりがひどいなど、睡眠を邪魔するような身体的な問題がある場合には鍼灸を行うことで、睡眠時間が正常に近づいてくる場合があります。

当院でも首こりを改善したところ朝起きられるようになってきて、自然に生活リズムが取れるようになってくるという症例があります。

しかし、身体の緊張と睡眠時間が伸びることに因果関係がない症例もある為、首こりを改善しても効果がないことがあります。

突発性の睡眠障害は治療法がないこともある

睡眠についての研究はあまり進んでいないのが実情で、原因不明の睡眠障害は数多く存在します。

成長期によくある突発性の睡眠障害になってしまっている場合には、治療法がないこともあります。

多くは心身の成長とともに自然治癒することが多いのですが、色々な薬や治療法を試してもあまり効果がないこともあり、その場合には心身が成長するまで待つしか治療法がなくなるケースもあります。

まとめ

起立性調節障害で朝起きられなくなってしまう原因は体内時計が後方にズレてしまうことが原因です。

睡眠時間が8時間以内の場合には体内時計のズレのみが問題となっている為、基本は朝起きて目から光を入れ、夜は目から強い光を入れない生活を継続することで、体内時計が整ってきます。

デジタル機器の長時間使用による脳の過剰興奮が影響している場合には、原理的にデジタルデトックスが有効ですが、依存状態になっている場合に無理にデジタルデトックスを行うと親子関係を壊したり、離脱症状から起立性調節障害の症状が悪化する場合がある為、注意が必要です。

睡眠時間が8時間よりも長くなっている場合には、睡眠そのものに何らかの問題を抱えていることが多い為、原因に合った対応が必要です。

首肩こりが原因で睡眠が邪魔されて睡眠時間が伸びている子供の場合には鍼灸が有効ですが、必ずしも首肩こりと睡眠時間が伸びてしまうことに因果関係がある症例ばかりでもありません。

思春期の突発性の睡眠障害の場合、治療法がないこともある為、心身の成長により自然治癒を待つしか改善方法がない場合もあります。

当院での改善をご検討の方は起立性調節障害不登校をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、お子さんについて相談したい方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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