数年来の関節リウマチによる首、肩、手、膝の痛みが一カ月前から悪化して来院された50代女性(磐田市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
数年前に手の痛みから始まり、病院を受診した結果関節リウマチと診断され、薬でずっとコントロールしている。
1カ月ぐらい前から突然、痛みが強くなりだしたのだが、これ以上薬の量を増やしたくないとのことで当院へ来院した。

鍼灸は今回初めて受ける。

<施術内容と経過>
痛みを訴えられる場所を触れると発赤も熱感もあり、はっきりとした炎症がみられる。関節リウマチは免疫系の暴走を止めることがポイントとなる為、免疫細胞が集まる腸への施術(内臓調整)と患部へは気功療法を併用して炎症を鎮めていく方向で施術を行っていく事とする。


初回
全身調整、内臓調整を行った後に、特に痛みのひどい首と膝に対して気功療法で炎症の鎮静化を行った。施術後は痛みが改善して歩いても、動かしても痛みが軽くなり、ツッパリ感が残るとのこと。

2回目(一週間後)
前回の施術後、膝と首の痛みは弱い状態で維持できている。全身調整、内臓調整を行った後、前回施術できなかった肩と手に気功療法を行って炎症の鎮静化を行う。施術後腕を上まで上げられるようになった。

3回目(一週間後)
歩いても痛みが少ないため嬉しくてつい歩きすぎてしまい、その後から足首周りに強い痛みが出るようになった。全身調整、内臓調整と気功療法を患部にバランスよく行った。

4回目(一週間後)
痛みで生活が制限されることが減ってきて楽に過ごせている。膝を深く曲げるとゴリっと音がするとのことで周辺の筋肉を緩める施術を追加。施術後深く曲げても音は出なくなった。全身調整、内臓調整と気功療法を患部にバランスよく行った。

5回目(一週間後)
左ひざに再び違和感が出るようになってきた。ほかの場所はいたって調子が良いとのこと。全身調整、内臓調整と気功療法を患部にバランスよく行った。歩くように指導。

6回目(二週間後)
二週間間をあけたが、3日ぐらい肩首肩がこりなのか張っている感じが出ているとのこと。歩いていることもあるが歩いた後に足首に痛みが出ては引くということを繰り返している。

7回目(二週間後)
全く痛みもなく凄く軽い日が1日あったが、それ以外の日も軽い痛みや重かったり、突っ張る感じが多少あるという程度で過ごせている。

8回目(二週間後)
今回は前回の施術前よりも若干だけ痛みの程度が強く、どんより重たい感じの日が多かったとのこと、カウンセリングをしていて心理的なストレスが関わっている感じがあったため心理療法を追加したところ、すっきりとらくになったとのこと。

9回目(二週間後)
前回の施術後は体調がとてもよくなり、かなり動き回っているのだが痛みが強くなってくることもなく過ごせていた。

10回目(三週間後)
3週間間をあけたのだが、あちこちに軽い痛みが出ては消えるという感じで、過ごせてはいた。ひどく痛くなることはなかったとのこと。

11回目(三週間後)
かなり歩いても足首やひざが翌日以降痛くなることがなくなってきているとのこと。

12回目(三週間後)
2週間ぐらい前から残っていた若干重たい感じや軽い痛みが急激に楽になっている。階段の下りが足首が痛むとのことだが、動作を見ると階段の降りる身体の使い方が負担のかかる体の使い方をしていたため修正した。

13回目(一カ月後)
一ヶ月間をあけたが、後半になるにしたがって若干動きずらい感じが出ているような気がするとのこと。

14回目(一カ月後)
ほぼ絶縁状態にある母の話を姉から聞いてその後から痛みが再燃している。心理療法を行ったところ痛みが軽減した。

15回目(一カ月後)
前回の施術後、再燃した痛みは引いているのだが、地味に久に痛みが再び出ているとのこと。まだ、心理的な問題が隠れている感じがある為カウンセリングを行い心理療法を行った。

16回目(一カ月半後)
時々足首の関節に痛みが出ることはあったが、ひどくなることもなく過ごせていた。次回まで問題なければ卒業予定。

17回目(二カ月後)
ほとんど痛みに悩まされることもなく過ごせていた。今回で卒業とした。

<まとめ>
心因性の問題が絡むことで免疫系に乱れが生じて関節リウマチが発症していた症例。

以外に思われる方も多いかもしれないが、関節リウマチは免疫系の疾患に当たる為、心因的問題によって免疫暴走が起こっているケースが少なくない。

今回の症例は施術開始直後は肉体的アプローチのみで改善が可能かと思われたが、肉体的アプローチによってある程度体調が改善してくると心因的な問題が出てきて再燃ということが発生したため、施術回数が多くはなったが、関節リウマチではこういったケースは比較的多い。

ただ、心理的アプローチまで終わると、再発のリスクがかなり低下することが多い。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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関節リウマチ
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