ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。
睡眠の問題を抱えていて、眠くなっていざ寝ようとしてお布団に入ると途端に眠れなくなってしまう方は多いです。
寝ようとするとすればするほど眠れなくなってしまうというのは不眠症(入眠障害)でよくみられる症状です。
今回はそんな寝ようとすると寝れないという状態になる理由と対処法について一緒に考えていきたいと思います。是非、最後までお読みください。
結論:寝ようとせずに眠れるまで何度でもお布団に入ったり出たりを繰り返しましょう
寝ようとすればするほど眠りに入りにくくなってしまうのは、寝ようとしたときに「眠らなくてはいけない」と自分自身にプレッシャーをかけてしまっていることが原因になっていることが多いです。
眠りに入る時は、副交感神経が徐々に高まっていって、それに反比例して交感神経の働きが低下してきます。
この自律神経のバランスが副交感神経>交感神経というパワーバランスになることで入眠できるのですが、「眠らなくてはいけない」と自分自身に寝るようにプレッシャーをかけると交感神経が刺激されてしまいます。
その結果、副交感神経が徐々に高まっていくというのを邪魔して、交感神経が逆に高い状態になり、眠れなくなってしまうのです。
寝ようと頑張ると眠れなくなってしまいますので、「眠れたらいいかな~」ぐらい軽い気持ちでお布団に入ることが大切です。
そして、寝ようと努力せずに10分横になって眠れなければ一旦お布団から出てしまうという入眠障害改善の認知行動療法が有効です。
眠らなくてはいけないという呪縛から解き放たれよう
健康の為には睡眠が重要であることに間違いはありませんが、「眠れなければいけない」と自分自身を強迫してしまうのは間違いです。
睡眠不足になると判断力や認知能力が低下するので自分でも気が付きにくくはなりますが、完全に寝ていなければ幻覚や幻聴などの症状があらわれてくることがわかっています。
不眠に悩まれている方で、幻覚や幻聴などが聞こえるレベルで睡眠不足になっているという方というのはあまり聞いたことがありません。
一瞬気絶している(一応寝ている)などの状態に時々なることで、睡眠不足を補っている為、不眠症の方でも幻覚や幻聴などが聞こえることがないようです。
寝ようとするのではなく、睡眠不足が蓄積して強制的に眠らされるまで待つというのも一つの方法として間違っていないのです。
入眠障害になると夜が怖くなってしまうことも多いですが、元々眠気が来なければ小説でも読んでゆったり過ごすぐらいの開き直りを行うことが大切です。
睡眠のお悩みで、当院に来院されている方の多くが寝なくてはと思っていますが、その思い込みがなくなると結構あっさり眠れるようになる方が多いです。
布団に横になって目を閉じたまま耐えなくていい
横になって目を閉じているだけでも睡眠と似たような効果があるから、それだけで十分だよと言われたことがある方もいるかもしれません。
根拠の出所がどこなのかは不明なのですが、眠れなくても横になっていればよいという考え方は現在のところ否定されています。
横になって10分眠れないのであれば、一度布団から離れるようにしてください。しばらくして再び眠気がやってきたらもう一度お布団に行って横になるということを淡々と何度も続けることが大切です。
眠れない状態で布団の上にいるのは結構苦痛なことが多く、そのストレスでまた交感神経が刺激されてきてしまって余計に眠れなくなってしまいます。
また、脳は場所とやる事を分けて認識するようにできています。その為、お布団で寝ずにごろごろしていると、脳はお布団をごろごろする場所だと認識してしまいます。
もちろん、本を読んだり、スマホをいじるなど、寝る以外の行為を布団の中でしてしまうと脳が布団を本を読む場所、スマホをいじる場所と間違って認識してしまいますのでそういったことも避けることが大切です。
布団に入って10分眠れなければ布団から出る、そして眠気がやってきたらもう一度お布団に入る。を繰り返す方法が入眠障害に対する認知行動療法として効果の高い方法としてしられています。
夜に時計を見ない
夜に時計を見ると今寝ないとあと何時間しか寝られないという焦りと、翌日以降も睡眠時間が短いという生物的ストレスだけでなく、睡眠時間の短さを自覚したことによる心理的ストレスを受けることになります。
心理的ストレスを受けると交感神経が働き始めるので、これも眠るのを邪魔する原因となります。
また、昨日何時間しか眠れていないから今日こそは眠れるはずだとさらに自分自身にプレッシャーをかけてしまう原因にもなります。
夜日が沈んでからは基本的に時計を見ないようにすると、今何時なのかがわからなくなるので、時間がわかってしまう時計やスマホの画面を見ないのはもちろんですが、トイレに行く際などで時間を確認しないように、寝る前には家にある時計をすべてカバーをかけるなどして見れないようにしてください。
寝ない夜の過ごし方
夜に無理に寝ない覚悟が決まったら、後はどうやって長い時間を潰すのかを考えましょう。
夜にブルーライトが目から入ってきてしまうと、体内時計が乱れてしまうので夜にブルーライトが目に入るようなことは夜の過ごし方としてはアウトです。
つまり、TV、スマホ、タブレット、ゲーム、PCといったデジタル機器を使って時間を潰すのはお勧めできません。
軽くて元を照らす程度の光で、小説や漫画を読む、手芸、パズル、プラモデルなど、アナログなことで時間を潰すのがお勧めです。
昼間もデジタル機器の使用は1時間程度に留めましょう
スマホ、タブレット、PCなどのデジタル機器を2時間以上使用すると睡眠障害を引き起こすことが近年の研究でわかってきました。
仕事でどうしてもPCを使わなくてはいけない方は、やむを得ないところは若干ありますが、プライべーどでのスマホやタブレットの使用時間を制限することが大切です。
これは2時間以上のデジタル機器の使用で脳が過覚醒状態になる為だと考えられています。(もっと短い時間でもか覚醒状態になる方もいるので遺伝子により個人差があると考えられます。)
つまり、強い交感神経優位の状態になり、しかも数日その状態が継続されると考えられているからです。
デジタル機器の使用を制限すると1週間、2週間、3週間と時間がたつにつれて徐々に集中力や記憶力などが高まることがわかっています。
もちろん、睡眠の質も良くなるため、前述した認知行動療法と合わせて実践することでより高い効果が期待できます。
大人であれば2時間未満の使用制限が元々の適正範囲となっていますが、入眠障害という病気の状態の為なるべく1時間未満の使用に留めるようにしましょう。
昼間の運動で肉体疲労を作り出そう
昼間に肉体疲労を作り出すと、比較的入眠しやすくなる方が多いです。
プールや海水浴の後などに良く眠くなる方は多いと思いますが、肉体疲労がたまると眠って回復しようとする機能が働きます。
また、昼間に運動を行うことで、昼間の交感神経の高まりがあることで夜にしっかりと副交感神経が優位になって眠りやすいという特徴が出てきます。
しかし、過度に運動しすぎると筋肉が炎症を起こしてしまう為、その炎症の熱で体温が思ったように下がらず寝付きにくくなってしまいます。
最初は数分の散歩から始めて、徐々に散歩の距離を伸ばしていくのがお勧めです。夏場などは熱中症にならないように十分注意して頂くことが大切ですが、大型ショッピングモールをぐるぐる歩き回るなどでも散歩にはなるので、なるべく快適な環境で運動を行うようにしましょう。
まとめ
寝つきが悪い場合には、眠気を感じたらお布団に入り、10分眠れなければ起きるということをずっと繰り返し続けましょう。
眠らなくてはいけないと自分にプレッシャーをかけることで眠れなくなることが多いので、眠れなくても良いということを受け入れていきましょう。
布団の上ではごろごろしたり、スマホや本を見ないなど寝る以外の行動をとらないようにしましょう。
夜に時間を確認すると、心理ストレスがかかりさらに緊張して眠れなくなるので時計を見ないように、見えないように時計にカバーをかけましょう。
無理に寝ようとせず、起きている時間は目から強い光が入らないようにTV、スマホ、タブレット、ゲーム、PCといったデジタル機器を使って時間を潰すのではなく、小説や漫画、何かを作るなどのアナログなことで時間を潰すようにしましょう。
昼間の時間帯であってもデジタル機器の使用は1時間未満になるように使用時間を制限しましょう。
昼間に運動して肉体疲労を引き起こすことで寝やすくしましょう。
しかし、過剰な運動や運動したから今夜こそ眠れるはずだ!というプレッシャーをかけないようにしてください。
当院での改善をご検討の方は自律神経失調症をご覧ください。
遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。