
ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。
パニック障害(症)になるといろいろな制限が出てきてしまうことが多いです。その中で結婚は諦めないといけないのか?悩まれる方もいらっしゃいます。
今回はパニック障害を持っているけれど、結婚できるのか?について一緒に考えていきたいと思います。是非、最後までお読みください。
結論:パニック障害でも結婚を諦める必要はない。
パニック障害になることで、生活上様々な制限を受けてしまうことがありますが、結婚できないわけではありません。
しかし、結婚前にパートナーにご自身の現在の体の状態と将来起こりうるリスクについて話し合ったうえで結婚することが大切です。
子供を持つことについては用意できる養育環境の問題も考慮する必要がありますが、結婚についてはパートナーに詳しい状態を伝えることが何よりも大切です。
パニック障害でも結婚を諦める必要はない
現代は価値観が多様化していますし、私も多くの既婚者の方とお話をさせていただきますが、結婚に求めていることが人によって本当に違います。
パートナーと今後も一緒にいたいから結婚したい。
経済的に不安だから結婚したい。
社会的ステータスとして結婚したい。
など、結婚の形は多様性があり、パニック障害の有無は価値観によります。
どれが正しくてどれが間違っているわけではありませんが、結婚をするということはお互いに、何かパートナーに求めているものがあります。
それが愛情という絆に基づくのが理想ではありますが、現実は既婚者という社会的ステータスが欲しい男性と経済的に不安だから結婚したい女性が夫婦になることもあります。
結婚は生活をしていくことなので、経済面もとても重要な要素です。
パニック障害は人によって、症状や状態、制限を受ける事柄は様々なので結婚前に今はどのような制限を受けるのか、もし再燃・悪化した場合には、どのような制限を受ける可能性があるのか、パートナーとあらかじめ情報共有しておくことが大切です。
一番避けていただきたいことは、パートナーから結婚を拒否されるのが怖くてパニック障害であることを隠した状態で結婚してしまうことです。
結婚はパートナーにとっても人生を左右する大きな決断です。
隠されたというのは、騙された、嘘をつかれたと感じてあなたの信頼関係に致命的な傷を与える原因になります。
迷惑になるから・・と一人で判断しない
パートナーと一緒に生きていきたいと思っている気持ちがあなたにあるにもかかわらず、迷惑になるからと、話し合いもせずに離れていくのもお勧めできません。
パニック障害をもつ方との結婚生活は、まったく何もない方と比べれば多少、大変な側面はあります。
しかし、パートナーも元々、家でゆったり過ごしたいタイプの方だと、パニック障害による行動制限はほとんどわからないこともあります。
パートナーがパニック障害のあなたと一緒に生きていくことを迷惑と感じるのか、楽しいと感じるのかは相手にしかわかりません。
だから、あなたの気持ちは結婚したいと正直に話したうえで、相手がどうしたいのかを判断してもらうしかありません。
パニック障害に関わらず、結婚前に話し合うこと
パニック障害がある・ない以前の問題として、あなたとパートナーが結婚生活に求めていることがある程度一致しているかを確認しましょう。
結婚前に一度同棲期間を設けるのもよいかもしれません。
子供は欲しいのか?
どこに住みたいのか?
マイホームを購入したいのか?
スキンシップの頻度は?
家事の分担は?
仕事は共働き?
結婚はある種、妥協の連続ですから、すべてが一致している必要はありませんが、優先順位が高いものはあなたも相手も妥協しにくく、お互いに譲れないとぶつかってしまってストレスが増してしまいます。
そして、ストレスの増加はパニック障害の再発・再燃を誘発するので、一緒にいてストレスになる方との結婚はお勧めできません。
また、特定の場所に行けなかったり、長距離の旅行が出来なかったりなどの制限があることで、将来的には家族旅行や帰省、子供の試合の遠征などにも影響します。
一緒に病気と向き合って、根気よく支えてくれるパートナーであれば、改善の手助けになる場合もあります。
どの夫婦にも起こりうるリスク
夫婦どちらかが、何らかの病気になることで働けなくなってしまったり、介護が必要な事態になるということはどの夫婦でも確率的にゼロではありません。
もし、そうなってしまった場合、家族が生活していく上で必要になる生活費、養育費、車や家の購入費といった経済的な問題と家事・育児といった家族を維持していくための労働力の負担が働ける側にすべて乗っかることになります。
パニック障害を持っていると、あなたが経済力と労働力を家族に提供できなくなる確率が通常よりも高いといえます。
しかし、リスクが高いことを知っている分、予め余裕のある人生計画を立てるということも可能なので、仮に1馬力になっても家庭を維持していけるようにしておくことが大切です。
問題の本質はリソース(資源)
パニック障害をもっていても基本的には普通の結婚と大差ありません。
結婚とはパートナーと家族というチームを組むことで協力して生活していくことです。
パニック障害は再発率が高い疾患で、うつ病も併発しやすい疾患です。

今は働けていても将来的に、何かのきっかけで、働けなくなってしまったり、うつ病で家にいても何もできないという状態になってしまうこともあります。
そこまでいかなくても、体調不良でフルタイムから時短・パート・アルバイトなどに切り替える必要が出てきてしまうこともあります。
家族全体でお金や労働力としてのマンパワーが不足した状態になる確率が、パニック障害を持たない方と比べて高いというだけです。
子供がいない夫婦二人だけであれば平均年収のパートナーの収入だけで十分生活していくことは可能なので、結婚を迷う要素はほとんどないといえます。
しかし、健康な夫婦であっても難易度の高いことがゴールになっている場合には慎重な姿勢が必要です。
例えば、マイホーム購入で多額のローンを組む、子供を育てて大学まで出してあげたいなど、多くのリソースを必要とする場合です。
お金を稼ぐために仕事・家事・育児により、働きすぎてパニック障害が再燃したり、うつ病が発病したりして、経済力や労働力を家族に提供できなくなっても家族全体で生活が維持していける余裕を持った計画が大切です。
子育てについては過去記事をご参照ください。

リソース不足をどうやって補うのか?
残念ながら魔法のような方法はないので、不足しているリソース(資源)は、外から持ってくるしかありません。
当院には結婚後にパニック障害になってしまった方も多く来院されますが、その場合、現状を伺ったうえで、継続可能な現実的な結婚生活の提案を行います。
両家の親御さんに子供を見ていてもらう時間を増やしたり、ご飯を代わりに作ってもらったり、経済的に援助してもらったりなど、少しでも外部からリソースをわけてもらう方法をまずは考えます。
外部からの手助けが受けられた方は、十分な療養ができるので、再び社会復帰していきやすいのですが、両親が近くに住んでいなかったり、不仲や両親自身も経済的、健康的に手助けできない。疎遠になっている。
このような援助が期待できない方は十分な療養ができないため、改善できないことが少なくありません。
パニック障害の再発・再燃の多くは、過剰なストレスにさらされた結果起こりやすいので、再発・再燃のリスクを下げるという予防目的でも、周囲の人の手助けをより多く受けることが大切です。
それが結果的に、周囲の人にかかる負担を減らすことにつながります。
まとめ
パニック障害があるからといって結婚を諦める必要はありません。
大切なのは、ご自身の状態や将来の可能性についてパートナーと正直に話し合い、無理のない生活設計を一緒に考えることです。
結婚生活には誰にでも予期せぬ困難や制限が訪れますが、パニック障害があるのはリスクの確率が高まる程度のもので、リスクを理解している分あらかじめ備えることが出来ます。
外部からの協力や工夫を取り入れることで安心感も高まりますし、むしろ絆が深まるきっかけにもなります。
相手があることなので、お互いが幸せにならないまでも不幸にならない選択をしてください。
当院での改善・予防をご検討の方はパニック障害をご覧ください。
遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。