ポジティブ思考になる方法

結論:ポジティブ思考と楽観思考を分けて、ネガティブな側面を無視しないことが大切

物事をネガティブについつい考えてしまうからポジティブ思考をしたいと思われている方が多いですが、実際にどのような思考をするように努力しているのかを聞いてみると、ポジティブ思考ではなく楽観思考をしていることが多くあります。

今回はポジティブ思考について一緒に考えていきたいと思います。この記事を読むことで、正しいポジティブ思考の方法が理解できるようになります。

ポジティブ思考と楽観思考の違いについて

ポジティブ思考と楽観思考の違いについて明確に区別せずに、楽観思考をしようとしている人ほどネガティブ思考に陥りやすい傾向があります。

楽観思考とは、未来が常に良い方向に進むと信じる考え方であり、どんな困難な状況にも前向きな結果が待っていると信じることです。

一方で、ポジティブ思考は現実をしっかりと見据えた上で、未来が悪い方向に進んだとしても、ポジティブな態度や解決策を見つけようとする考え方です。

根拠なく未来が良い方向に進むと考えるのか、現実的に未来が悪い方向へ進んだ場合についても考えるといった、未来への志向が全く異なります。

楽観思考はネガティブになりやすい

私達の脳は予測する為の臓器だと考えられています。

脳がストレスだと認識することの多くは予測と現実にギャップが生じたときです。

楽観思考によって、根拠なく良い事ばかりが起こる未来を予測すると現実とのギャップが生じる回数が増えます。

脳がストレスを認識すると私達にはネガティブな感情が生じます。

そして、ネガティブな感情はネガティブな記憶をより多く想起(思い出す)するので、過去の失敗をより多く思い出すなど、ネガティブ思考が回りやすくなっていきます。

結果的にネガティブなことが頭から離れなくなり、ネガティブ思考が止まらなくなってしまいます。

正しいポジティブ思考とは楽観的な未来を考えることではない

ポジティブ思考は「うまくいく」と信じることではありません。

むしろ、うまくいかないことも含めて現実的に未来を予測する思考法です。

現実的な予測は現実との間にギャップが生じにくくなります。

そうすると、脳がストレスと認識する回数が結果的に減っていくことになります。

脳がストレスと認識する回数が減れば、ネガティブな感情がわいてくる回数が減り、ネガティブな感情でいることが減れば、ネガティブな記憶を想起することが減り、それがネガティブ思考になりにくいことにつながります。

楽しい未来を予測するのではなく、良い・悪い未来を現実的に予測して今、何ができるのかを考えて行動することがポジティブ思考といえます。

悪い未来を予測することがネガティブ思考なわけではありません。非現実的な悪い未来を予測してしまうことに問題があります。

「どうしよう」という考えが出てきたら要注意

人によっては悪い未来を考えるだけで、不安や恐怖がわいてきてしまう為、悪い未来予測を避けてしまう方が少なくありません。

「○○になったらどうしよう」と、わいてきた不安や恐怖で頭の中がいっぱいになり「嫌な事が起こりそう」という現実的ではないふわっとした未来予測しかしていないことがあります。

大切なのは○○が起こった後に何が起こるのかを具体的にしていくことです。

注意して頂きたいのが、○○が起こった後に、自分がどういう気持ちになるのかではなくて、具体的に何が起こるのかです。

人間は不安や恐怖の感情に支配されるとIQが低下するので、感情にフォーカスしては現実的な未来の予測が出来ません。

悪い未来が予測できたとしても、被害は最大でどれぐらいになりそうなのか、そうなった場合にどのような対処法を考えられるのかを具体的に考えることで、不安や恐怖に支配されにくくなります。

自分への信頼を持つために知ってほしい事

ポジティブ思考の根底には「どんな困難がやってきても私はちゃんと対処していける」という自分への信頼があります。

自分のことをそんな風に信頼できないよと思われる方も多いですが、今この文章を読んでいるあなたは「どんな困難がやってきてもちゃんと対処してきた」から今も生きているのです。

対処できていないのであれば、あなたはもうこの世にはいないはずです。この文章も読むこともできないでしょう。

だから、あなたは「いままでもどんな困難がやってきてもちゃんと対処してきた」という事実をしっかりと受け入れることが大切です。

ポジティブな思考は人生に様々な困難が生じることを前提とした思考法です。

私の未来には困難がやってこないと楽観視するのではなく、私の未来には様々な困難がやってくるけれど、私は困難を乗りこえていけるという姿勢からポジティブ思考がスタートします。

人生では、必ずしも順風満帆な日々が続くわけではありません。むしろ、お金・家族・友人間関係・仕事など様々な困難を抱えながら生きていくのが普通です。

困難に立ち向かう姿勢こそがポジティブなのです。

まとめ

まとめ

ポジティブ思考は、単に「なんとかなる」と信じる楽観思考ではありません。

「うまくいかないこともある」という現実を受け止めたうえで、自分なりに対処していこうとする姿勢です。

ネガティブな未来を予測すること自体は悪いことでもネガティブ思考でもありません。

現実的に何が起こるのかを明確にして、どう備えるか、どう向き合うかが大切です。

楽観的思考は現実とのギャップがストレスや不安を生み出し、かえってネガティブな感情に引きずられ、ネガティブ思考に陥ってしまいやすくなります。

だからこそ、現実を直視しながらも、自分を信じて前に進もうとするポジティブ思考が重要です。

自分を信じられない場合は「様々な困難に直面しながらも対処してきた」からこそ、あなたは今生きているという事実に意識をフォーカスしてみましょう。

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心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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心理・脳科学
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