パニック障害の薬を使わない、頼らない薬以外の治し方
結論:根本的な治療は食事・睡眠・運動・ストレス管理といった基本的な生活習慣の改善なので、薬なしでも改善できる場合は多い。
パニック障害になってしまったけれど、精神科・心療内科で出されるお薬に抵抗がある方は少なくありません。
当院へ来院される方の中には、薬での治療を行いたくないという理由から鍼灸での改善を希望される方も多く来院されます。
医学的に考えて、薬を使う・使わないことそのものは、あまり重要ではないというのが私の個人的な考えです。
パニック障害の治療に用いられる抗うつ薬(SSRI)は、運動療法で同程度の効果があることがわかっている為、運動療法を抗うつ薬の代用として用いれば必ずしも薬は必要ではありません。
重要なのは、パニック障害になるようなストレスがかかりやすい環境の中で継続して生活していないか?思考の偏りを放置していないか?ストレスを受けやすい生活習慣を送っていないか?といったパニック障害の原因を取り除けているのかどうか?の方が重要だと考えています。
パニック障害は5年以内に50%以上の方が再発するといわれています。
治療のガイドラインには、心理療法や生活習慣の改善など、しっかりと書かれていますが、実際の精神科・心療内科の臨床では薬物治療のみ行い症状だけおさまった時点で治療を終わらせていることが高い再発率の本質的な原因だと私は考えています。
薬を使わないパニック障害の治し方
薬を使わないでパニック障害を治す方法はいたってシンプルです。
朝起きてご飯を食べ、昼間によく運動して、よく眠る。あなたのことを大切にしてくれる人と安心できる環境で一緒の時間を過ごす。身体に不調があれば治す。
こう言った生活を続けていれば、基本的にパニック障害は良くなっていきます。
しかし、現実的にこのシンプルなことを実践することが難しい為、多少複雑なことが必要になってきます。
3食ご飯を食べましょう。
パニック障害を治すにはバナナが良いなどといわれますが、基本的な食習慣が整っていることが前提なので、食事の時間が不規則、食事の内容が偏っている場合にはまずはそちらを整えることが大切です。
運動をしましょう。
運動を行うことでメンタルヘルスが改善することが様々な研究からわかっています。
パニック障害には運動が効果的です。歩くなどのリズム運動はセロトニンの分泌を促すことが知られており、運動療法と抗うつ薬の効果を比較しても、大差がないことがわかっています。
薬を使わないのであれば運動療法を取り入れることはとても重要です。
運動で疲れたら寝ましょう。
寝なくてはいけないと脅迫的になってしまっていると、不眠症になってしまいますから眠らなくてはいけないとプレッシャーをかける必要はありません。
十分に体を動かして疲れれば体は自然と休息しようとします。眠れない場合は、眠ろうとするよりもよく運動するようにしましょう。
ストレス管理をしましょう
パニック障害の発症には必ず何らかのストレスが関わっています。
それが現在あなたの置かれている環境の問題もあれば、あなた自身の捉え方の問題のこともあります。
ストレスとは何なのか?を理解することで対処能力を高めていくことも大切です。
身体に不調があれば改善しましょう
脳は身体の状態を観察することで外界の状況を理解します。
その為、身体のこわばりや内臓の不調は、健康を犠牲にしてでも外界に命の危険が迫っている状態だと脳は判断し、全身に交感神経を高める命令を出します。
交感神経が過剰に活動することでパニック障害の症状が出てきていますので、身体を整えることで脳からの交感神経を高める命令を止めることがパニック障害の改善に有効になります。
パニック障害になってからある程度時間が経過すると、交感神経優位の状態が持続して身体の状態は悪くなってくるので鍼灸や整体が有効なことがほとんどです。
身体の不調だけが原因で交感神経刺激が起こっている場合には、鍼灸・整体を行うだけで改善していくこともあります。
まとめ
パニック障害を治していくうえで、薬を使わないで改善していくことも可能なことは多くあります。
本質的な改善には食事・睡眠・運動・ストレス管理といった基本的な生活習慣の改善を行って十分な休養をとることが大切です。
身体的な不調が原因でパニック障害が起こっていることもある為、その場合には鍼灸や整体を行うのが有効な方法になります。
当院での改善をご検討の方はパニック障害、全般性不安障害をご覧ください。
遠方で来院が難しいけれど、生活習慣や改善について相談したい方はオンラインカウンセリングをご利用ください。