良性発作性頭位めまい症(BPPV)を自分で改善するめまい体操・エプリー法のやり方

こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。

めまいに悩まれている方の20〜40%程度が良性発作性頭位めまい症(BPPV)というめまいだと考えられています。

頭を急に動かすことにより、10~20秒程続くめまいが特徴です。良性発作性頭位めまい症の場合には、ご紹介させて頂くめまい体操やエプリー法を行っていくことで、自分でめまいを改善することが可能です。是非、最後までご一読ください。

結論:めまい体操・エプリー法を正しく覚えて実践しましょう

良性発作性頭位めまい症(BPPV)は自分で行うめまい体操(前庭訓練)、エプリー法といったリハビリを自分で行うことで改善が可能なめまい症です。

めまい体操はメニエール症候群などにも効果が確認されていますが、根本的には三半規管のむくみを改善する必要がある為、投薬や鍼灸・整体によるアプローチも必要になる場合があります。

ご紹介させて頂くめまい体操とエプリー法の正しいやり方をマスターして、実践していってみましょう。

めまい体操は三半規管を鍛えることを目的にしています

私達は平衡感覚を三半規管で感じ取っています。三半規管は鍛えることが出来る器官であると同時に、使わないことで機能が衰えていく器官です。

例えば、フィギュアスケートの選手はあれだけ高速で回転しているにもかかわらず、目を回してふらつかないのは、日頃から練習で何度も回転することで三半規管が鍛えられた結果です。

しかし、三半規管があまり使われないと機能が低下していってしまい、少し頭を動かしただけですぐに目を回すようになってしまいます。

良性発作性頭位めまい症が発症する原因の一つに、あまり動いていなかったということがあげられます。

別の病気で寝込んでいた後や妊娠出産であまり動けなかったなどの後に良性発作性頭位めまい症を発症することがあるのはこのためです。

これは、三半規管があまり使われないことで、機能が低下しすぐに目を回す(めまいを起こす)ようになってしまったことが原因です。

ですから、どうすればよいのかは簡単で、目が回る(めまいがする)動作を何度も何度も繰り返し行うことで、三半規管を鍛え直すことが治療になります。

エプリー法は耳石を正しい位置に戻すための方法

三半規管の根元あたりには耳石器という器官があり、重力や体の方向を感知するスマホなどについているジャイロセンサー(身体の回転や向きの変化を角速度として検知するセンサー)と同じような物です。

この中に耳石と呼ばれる石のようなものがあるのですが、その石が三半規管に入り込んでしまうことで発症しているめまい(耳石性のめまい)に有効なのがエプリー法です。

エプリー法が有効なめまいは、回転性で特定の向きや方向を向いた時だけめまいが出ることが多く、それ以外の向きや方向を向いた場合にはめまいが出ないことが多いです。

例えば、右を下にして寝ようとしたときにめまいが出るが、仰向けや左を下に寝た時、起きている時や座っている時はめまいが出ないといった感じのめまいの出方をします。

あなたのめまいの原因が耳石性であれば、正しくエプリー法が行うとその場でめまい症状が改善が期待できます。

めまい体操(前庭訓練)のやり方

Youtubeなどでやり方を実際に見てやることも大切ですが、めまい体操はやり方が非常に多いため、めまいを誘発しやすい動作見つけてそれを繰り返し行うことが大切です。

めまいをあまり誘発しない動作を何度も行ってもあまり効果は得られませんので、色々なめまい体操をやってみて、めまいを起こしやすい体操を見つけることからはじめて、見つかったらその体操を重点的に行っていきましょう。

一般的なめまい体操のやり方の一例をご紹介します。

  1. 視覚訓練: 目を開けて立った状態で目の前の一点を見つめるというものがあります。その後、頭を左右や上下にゆっくり動かします。これを数分間行います。頭を動かす速度は徐々に上げていきます。
  2. 頭部の動き:座ったまま、立ったまま頭だけ後ろを振り向くように左右旋回させたり、頭を上下に動かします。
  3. 歩行訓練: 直線上をまっすぐ歩いてみましょう。まっすぐ歩けたら2の頭を動かしながら歩く訓練をしていきます。
  4. バランス訓練: まずは目を開けて片足立ちから始めましょう。安全な場所で片足を持ち上げ、できるだけ長くその状態を維持します。これができたら目を閉じて行ったり、または頭を左右に動かしながら行うなど、難易度を徐々に上げていきます。

エプリー法のやり方

エプリー法もYoutubeでやり方が公開されていますので、そちらを参考にしてみてください。

あなたのめまいが耳石性であればエプリー法を正しく行えていればその場でめまいが改善します。

左耳が問題である場合と右耳が問題の場合がありますが、ここではどちらに問題があっても良いように以下の手順をすべて行えば左右の耳石を正しい位置に戻すエプリー法を行ったことになるように解説しています。

  1.  ベッドの端に座り、足が床についているようにします。正面から右斜め45度を頭を動かしてください。
  2. 頭はそのままゆっくりと上半身を後ろに倒しベッドに仰向けになるようになってください。頭がベッドの端からはみ出す程度にします。このまま30秒間保持します。
  3. 30秒経過したら頭をゆっくりと45度左に回し天井を見るようにします。仰向けで天井を見ている姿勢です。この位置を30秒間保持します。
  4. 今度はゆっくりと頭を45度左に回して、その位置をそのまま30秒保持します。
  5. 30秒経過したら、そのまま体を左側にゆっくりとロールオーバーし、左を向いたまま両手をついて体を起こしてきます。
  6. ゆっくりと起き上がり、元の座位に戻ります。
  7.  今度は正面から左斜め45度を頭を動かしてください。
  8. 頭はそのままゆっくりと上半身を後ろに倒しベッドに仰向けになるようになってください。頭がベッドの端からはみ出す程度にします。このまま30秒間保持します。
  9. 30秒経過したら頭をゆっくりと45度右に回し天井を見るようにします。仰向けで天井を見ている姿勢です。この位置を30秒間保持します。
  10. 今度はゆっくりと頭を45度右に回して、その位置をそのまま30秒保持します。
  11. 30秒経過したら、そのまま体を左側にゆっくりとロールオーバーし、右を向いたまま両手をついて体を起こしてきます。
  12. ゆっくりと起き上がり、元の座位に戻ります。

めまい体操(前庭訓練)は効果を実感するまで

めまい体操は動いた時に目が回らないように鍛えていくということで効果が出てくるものなので、はっきりと効果を実感できるまでに時間がかかります。

最低でも毎日1週間程度は行って効果を確認しましょう。4週間ぐらい行えばある程度めまいが起こりにくい状態まで改善します。

身体を回転させたりするような動きがある運動(ダンスやテニスなど体の向きを変える運動やバドミントンやバレーボールなど上下に頭を動かす動作)習慣を持っていない方の場合はよくなってからも、定期的にめまい体操を続けていくことで、再発を予防することが出来ます。

 

エプリー法は人によっては角度を調整

耳石性のめまいの場合はめまい体操をやっていても効果が出てきませんので、エプリー法を試してみてください。

エプリー法は45度という角度が基本ですが、人によっては90度近く首を倒してしまった方が良く効く方もいる為、いまいち効果がないと感じられた場合には角度を調整してやり直してみましょう。

毎日何度もやる必要はありませんので、めまいが収まればめまい体操のように定期的に行う必要はありません。

まとめ

良性発作性頭位めまい症(BPPV)には、三半規管の機能低下から起こってくるめまいと耳石がはがれて三半規管に入り込んでしまってめまいを引き起こしているタイプの2つがあります。

三半規管の機能低下の場合にはめまい体操を根気よく続けていくことが大切になります。

耳石性のめまいの場合はエプリー法を試してみましょう。

三半規管がむくんでしまったことで発生するメニエール症候群の場合には、血流を良くしてむくみを解消する必要がある為、めまい体操、エプリー法では思ったように改善は難しくなります。

鍼灸や整体などで血流を良くする、耳への血流を良くする薬を使用するなどの対処が必要です。

当院でめまい体操やエプリー法を直接指導して欲しい、耳への血流を良くする施術を受けてめまいを改善されたい方はめまいをご覧ください。

遠方でカウンセリングへの来院が難しいけれど、映像越しに体操のやり方を直接指導を希望される方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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