持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)|耳鼻科では正常だけど立つとフワフワするめまい

持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)

こんな特殊なめまい症状でお悩みではありませんか?

  • 持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)と診断された。
  • 急なめまい発作を体験した後から、雲の上を歩いているようなふわふわしためまい。
  • 回転性のめまいはほとんど出てこない。
  • 夕方の方が症状がひどい。
  • 振り向いた時にふわつくというより、ひどくなるとその後しばらくめまいが持続する。
  • 3ヶ月以上ほぼ毎日続いている。
  • 耳鼻科の検査では異常が見つけられなかった。
  • 横になっていると比較的楽だが、特に立っているのが辛い。
  • 眼振がみられず、病院をいくつも回っているが診断がつかない。
  • 動いている映像などを見るのが苦手。

持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)という新しいめまい

今までは原因不明のめまい症としてひとくくりにされていたもののうちの約16%の方が持続性知覚性姿勢誘発めまい(以下:PPPD)ではないか?と現在注目を集めているめまいです。

最初は急なめまい発作から始まることが多いのですが、急性期を過ぎた後もふわふわとしためまい(非回転性)症状が残り、耳鼻科の検査では原因が見つけられずらいめまいです。

持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)の女性

近年は医療者の中でも認知が広まった為、PPPDなのではないか?ということで、効果の確認されているSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)といった抗うつ薬による治療が試みられています。

持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)はなぜ起こるのか?

仮説ではありますが、現在考えられているPPPDが発生する原因についてここでは解説させて頂きます。

PPPDが発生する前にきっかけになるめまいがあるいることが多いですが、めまい以外もきっかけになります。

PPPDはっしょうのきっかけ

私達は主に三半規管(前庭)、視覚、体性感覚(目を閉じた時に自分がどういう姿勢をとっていいるのかを感じ取る感覚)といった3つの感覚を駆使して平衡感覚を保っているのですが、三半規管の問題からめまいを起こした状態で生活をしていると、視覚や体性感覚に頼って平衡感覚を保つようになります。

通常であれば三半規管の問題が解消されれば再び三半規管(前庭)、視覚、体性感覚の3つ感覚をバランスよく使って平衡感覚を保つようになるのですが、PPPDの方は視覚や体性感覚に頼って平衡感覚を保つ状態のままになっていると考えられています。

その為、三半規管の機能が回復したにもかかわらず、視覚や体性感覚が過敏になった状態が持続してしまっていることで、発症していると考えられています。

視覚への依存度が高い人は視覚(動くものやスーパーの陳列棚など)への刺激でめまいがひどくなりやすく、体性感覚への依存度が高い人は体性感覚(姿勢を変えた時)の刺激でめまいがひどくなりやすくなります。

視覚・体性感覚どちらか一方だけの方もいますし、両方への依存度がそれぞれ高い方もいます。

三半規管の機能が正常である為、眼振などの一般的なめまいの時に見られる検査で異常が見つからないのですが、本人は確かにめまいを感じています。

PPPDの治療法は?

現在、最も有望な治療法はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)といった抗うつ薬による治療です。

医学論文ではセルトラリン(ジェイゾロフトR)というお薬での改善報告が多いのですが、不安障害やうつ病に用いる量の半量での有効性が認められています。

SSRI

SSRIの投与でPPPDと診断された方のうち半分から2/3ぐらいの方で効果が報告されています。

なぜ抗うつ薬で改善するのか?

めまいなのになぜ抗うつ薬なの?私は別に精神的におかしくないと思われた方も多いと思います。

抗うつ薬というのは便宜上つけられている名前なだけで、正確には脳内のセロトニンの量を増やす(SNRIの場合はドーパミンも増やす)作用がある薬のことの総称ですです。

抗うつ薬の作用は主にセロトニンの量を増やすこと、BDNF(脳由来神経栄養因子)を増やすことの2つです。

セロトニンは神経の興奮を調整する作用があり、興奮のしすぎには鎮静させ、活動が弱い場合には興奮を手助けします。

つまり、過敏になっている視覚や体性感覚の神経を鎮静化させる効果が期待できます。

セロトニン

また、BDNFというのはあまり聞いたことがない方も多いと思いますが、神経の再生を促すためのタンパク質です。

過敏になっている原因が神経が傷ついていたり、神経自体の数が減少していることが影響している場合にはBDNFを増やすことで神経の再生を促すことで改善が期待できます。

うつ病などの場合ですがSSRIを投与し始めてから効果を示すのが、おおよそ3週間後ぐらいの為、実質的な効果はBDNFが増えたことによる神経の再生による効果が大きいのではないか?と考えられています。

抗うつ薬が効かないor使えないor使いたくない

前述した通り抗うつ薬が効果を示すのはPPPDのうち50%~66%ぐらいの方ですので、34%の方には効果がありません。

投薬初期に副作用として、食欲不振、吐き気、嘔吐、口渇、便秘、下痢、食欲不振、眠気、めまい、頭痛、不安、いらいら、手足や眼が勝手に動く、震え、体が固くなる、発汗、発熱、頻脈(動悸)、性欲減退、勃起障害、射精障害など、が現れる場合があります。

中断が必要な副作用もありますが、副作用が辛くて使えない方も一定数いらっしゃいます。

また、一度服薬を開始した場合には突然やめると離脱症状が出てくるお薬の為、長期間の使用を続ける必要が出てきます。

医学的な統計上はそこまで危険が高いとは言えないものですが、薬を使用したことで調子が悪くなってなかなか回復しない方がいらっしゃるのも事実です。

これらの理由から、鍼灸や整体での改善を希望される方が当院へ来院されています。

当院で行っているPPPDのアプローチ

PPPDの改善にはセロトニンとBDNFを増やして過敏になっている神経の鎮静化と傷ついた神経細胞の再生を促すことが重要になります。

セロトニンの分泌もBDNFも、元々私達の身体に備わっている機能によって増加させることが可能であることがわかっています。

薬でやるよりもはるかにゆっくりな改善になりますし、効果を100%保証できるものではありませんが、SSRIやSNRIの副作用や離脱症状が出てくるなどのリスクがほとんどないので、参考にしてみて頂けると幸いです。

鍼灸・整体によって脳血流を高める

鍼灸・整体によって首肩こりを改善しておくことは、セロトニン・BDNFの原料が運び込まれる栄養を脳へ供給するうえではとても重要です。

脳血流を高める

首肩こりがひどくてセロトニン・BDNFの量が低下しているだけの人であればこれだけで改善がみられる場合もありますが、PPPDの場合は改善してもすっきり綺麗に良くなるという方は少ないです。

つまり、施術を受けるだけで治るような疾患ではありません。

しかし、首肩こりと合わせて背中など、全身のこりを緩めることで自覚できていない身体的なストレスを軽減することが出来ます。

ストレスはセロトニン量を減少させるもっとも大きな要因ですので、自然にセロトニン量を増やしていく場合には身体的なストレスを解消しておくことはとても重要になります。

内臓を元気にして消化吸収を改善させる

セロトニン・BDNFの原料はタンパク質ですし、その合成には様々な栄養素が関わってきます。

特にセロトニンは腸内細菌により原料の生産が行われるため、胃腸が良く動く状態にしておくことで原料の消化吸収がスムーズに行われやすくなります。

当院では刺さない鍼や整体によって胃腸の働きを高める施術を行うことで消化吸収を助けます。

また、腸と脳は腸脳相関といってお互いに情報を伝えあうということをしていることがわかっています。

内臓を元気にする

その為、胃腸の不調は脳へストレスをかけることになる為、セロトニン量を減少させる原因となります。

胃腸の状態を整えることで、腸から脳へ伝わる内臓からのストレスを軽減し、セロトニン量を減らすストレスを狙います。

栄養療法を行うことでセロトニンやBDNFに必要な条件を整える

消化吸収には腸内環境を整えたうえで、セロトニンやBDNFを増加させる栄養素を摂取することがとても重要です。

腸内環境を整える栄養、セロトニンを合成する神経の働きを手助けする栄養、BDNFを増加させることがわかっている食品をバランスよく摂取することが大切です。

栄養療法

しかし、ガチガチに食事を管理しすぎると今度はそのストレスが悪影響を及ぼしてしまう為、なるべく簡単な方法で継続しやすい栄養指導を行っています。

小学校低学年の家庭家で習う栄養の内容を中心に食事改善を行っていきます。

心理療法を行うことでストレスを受けにくい心を作る

海外から複数の医学論文でPPPDは、神経質な人が多いと報告されています。

つまり、ストレスを受けやすい方が多い為、心理ストレスにより元々セロトニンの分泌が低下しやすい下地があることが根本的な原因として考えることができます。

PPPDの改善に認知行動療法という心理療法を行うことで改善がみられるという報告もあります。

当院でも認知行動療法を中心とした心理療法を行うことで、心理ストレスに対する抵抗性を高めるアプローチをおこなっています。

心理療法

また、PPPDになるとこのまま治らないのではないか?と不安になるのは自然なことです。

しかし、不安になることでストレスがかかり、セロトニンが低下するといった悪循環が発生してしまいます。

そういった不安な感情をうまく処理できるようになることで、セロトニンの低下を予防できるようになり、改善しやすい心の状態が作られていきます。

生活習慣を一緒に整えていく

不規則な生活習慣、光不足、睡眠や運動不足などもセロトニンの分泌に悪影響を与えてしまいます。

その為、めまいによる生活の制限の中でどうやって生活習慣を整えていくのかを一緒に考えていきます。

生活習慣

特にBDNFは運動により増加することがわかっているのですが、めまいによって運動が困難になる為、めまいが起こらない楽な姿勢で運動をする方法を一緒に考えていきます。

PPPD改善の流れ

PPPDの改善は一筋縄ではいかないことが多く、施術による身体的なストレスの改善、心理療法による心理ストレスへの耐性、栄養や生活習慣の改善を7回ぐらいかけて行い、改善がみられるようであれば、その後は1ヶ月から2ヶ月に一度経過を見ていきます。

経過をみながら生活習慣などに微調整を行っていきます。

  • 1.カウンセリング・・・PPPDが出始めてから現在までの経過をじっくりお伺いしていきます。
  • 2.カウンセリングからわかったことの説明・・・カウンセリングを行ってどのようなことが原因と考えられるのかを説明させて頂きます。
  • 3.施術スペースへ移動し、首肩こりや体のゆがみ、緊張の状態などをチェックします。
  • 4.刺さないはり、整体などを組み合わせて1と3で得られた情報を基に施術を行っていきます。
  • 5.施術後に体がどう変化したのかをチェックします。
  • 6.カウンセリング、施術、チェックなどを通して、わかったことを基に身体の状態の説明と施術計画を説明していきます。
  • 7.施術終了

以上が、一般的なPPPDいの方の初回の施術の流れです。2回目以降は1のカウンセリングが前回からの変化についてお伺いしていく以外は同様の流れで施術を行っていきます。

施術の費用について

PPPDは鍼灸の保険適応範囲外の疾患となる為、完全自費となります。料金は以下の通りです。

施術料

※スタンダードコースは刺さないはり・きゅう、整体、内臓調整、心理カウンセリング、心理療法をあなたの状態によって組み合わせたオーダーメイド施術です。

PPPD改善に向けて

ここまで、お読みいただきましてありがとうございました。PPPDは最近定義された疾患であることもあり、耳鼻科医の先生でも眼振がないから大丈夫だよとめまいを感じていることそのものを信じてもらえないこともある疾患です。医療者でもそのような状態ですから周囲の人にも理解されにくく、放置して自然に治るといった疾患でもありません。

まだまだ、医療者の中でも共通認識が浸透しておらず、症例数も少ない為、そこまで詳しいことを誰も知らないというのが現状です。

当院で行っているアプローチも色々な医学的な研究をベースに理論的に効果が期待できることをベースに組み立てていますが、100%の効果を保証できるわけではありません。

当院でPPPDに取り組んでみたいと思われた方は下記の方法で「ホームページを見て、予約をしたい」と今すぐご連絡ください。

私の持てるすべての技術と知識をフルに活かして、全力でサポートさせて頂きます。

また、遠方で来院が難しい。移動することが出来ないほどめまいがひどいけれど改善に取り組まれたい。

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