失敗しない鍼灸院の選び方

失敗しない鍼灸院選びのポイント

院長プロフィールこんにちは、浜松のはりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。
現在は鍼灸院、整骨院(接骨院)、整体院などの治療院の数は、コンビニの数よりも多いといわれています。

利用者の立場からすれば、そんなたくさんある治療院の中から、どうやって自分にあった院を選べばいいのか?わかりませんよね。

このページでは、治療院業界の裏側を知る鍼灸師が、もし自分ならどんな治療院を選ぶのか!?
ちょっとブラックな鍼灸院の経営目線から、失敗しない治療院選びのポイントをご紹介します。

1. どんな治療院を求めているのかを明確にする

まず大前提ですが、あなたがどんな治療院を求めているのかを明確にすることが大切です。

  • 確かな腕と技術 / 医学知識がしっかりしている
  • とにかく価格を重視 / 自宅から近くて通いやすい
  • 自分の生活習慣は変えたくない / 辛さを何とかしてくれればそれ以外は求めない
  • お客様として丁重に扱ってほしい / 先生が話しやすそう
  • 他の患者さんに話を聞かれたくない / 再発予防までしっかりしたい
  • 短期的にでも症状が改善すればいい / 自分の症状に専門性がある
  • 長時間施術してもらいたい / なるべく短い時間で終わらせてほしい
  • 自信満々にふるまって安心させてほしい / 丁寧な言葉遣いで接して欲しい
  • 同じ症状で苦しんだことのある先生・メディアで有名な先生の施術を受けたい

まずはこういった求めていることが明確になっていないと、治療院選びは高確率で失敗します。
まずは自分が求めることを紙に書きだして、上位3つの条件を満たす治療院を探しましょう。

基準を持たない状態で、なんとなく良さそうというふわっとした印象だけで足を運んでしまうと、どこに行っても「失敗した」と感じてしまいます。

2. 治る治らないは必ずしも腕の問題だけではない

施術を受けて治る・治らないを「ネジ穴とドライバー」の関係で考えてみましょう。

ネジが緩んで不具合を起こしている場合を病気の状態として考えてください。直すにはネジ穴にあったドライバー(治療法)を使ってネジを締めれば不具合は解消します。
人体の場合、ネジ穴がどういう形状なのかがわからないことがほとんどです。そのため、医学知識を使って形状を推測し、可能性の高いドライバーから順に試していきます。

治療を行なっても治らないのは、大きく以下の3つのケースに分類できます。

  1. ネジ穴の形状がわからず、適切なドライバーを見つけられない
  2. ネジ穴の形状はわかっても、そのドライバーが手元にない
  3. この世に対応するドライバーがそもそも存在しない
ドライバーとネジ穴のイメージ

医療者は手持ちのドライバーから適合可能なものを探していくことしかできません。一人で全てのドライバーを手に入れられるわけではないのです。

腕がいい先生とは?

一般的に言われる「腕が良い先生」というのは、自分の持っているドライバーを的確に把握しており、少ない回数で適切なドライバーを選べる先生です。
ゴッドハンドと言われる先生でも、あなたがその先生の持っているドライバーに適合しなければ治りません。逆に、評判が良くない先生があなたに適合するドライバーを持っている可能性もあります。

適切なドライバーを選ぶのは難しい

どの治療院へ行っても最初に「何度か通ってください」と言われるのは、体が元に戻ろうとする力が働くためもありますが、その先生の手元にあるドライバーの中にあなたに適合するものがないかを試すためです。

1本目で何らかのヒントを得て、施術を繰り返すうちに適合するドライバーに辿り着くことが多いです。
1〜2回ずつの施術で先生をコロコロ変えてしまうと、適合する先生との出会いを無駄に捨て、ヒントもその都度リセットされてしまいます。

3. 集客を目的とした「偽専門院」に注意

症状を改善していくことを考えれば、院長の得意分野に沿って専門特化していくのは、患者さんにとっては良いことです。
しかし、「専門性を打ち出すと集客に有利になる」という理由から、専門家であるかのようにみせかける院も増えています。

特にコロナ禍以降は、専門的な知識や経験を有していない疾患でも専門性を謳っている院が急増しました。偽専門家を見分ける方法は、診てもらいたい症状以外のページをチェックすればわかります。トップページはその院が最も得意とする疾患について書かれているからです。

口コミがその症状の方によって書かれたものが多いか? と同時に、他の症状ページやその院のトップページをチェックしましょう。

鍼灸院の選び方の重要ポイント

4. プロならこう見る!口コミの賢い利用法

経営をしているとよくわかりますが、母数がわからない口コミはあまり役にたつ情報になりません。

例えば、良い口コミが100件ある治療院A、よい口コミが10件ある治療院B。
10000人の施術で100件(改善率1%)の良い口コミなのか、50人の施術で15件(改善率30%)の口コミだったら、どちらのほうが改善しやすいでしょうか?

良くならなかった方は口コミを基本書かないので、うまく改善した事例の方に口コミ投稿をお願いして、口コミ数を増やしているのが実態です。

現在の繁盛する治療院の条件は、腕が良いことではなく、良い口コミをたくさん集めることだと言われています。
それでも気になる場合は、自分の悩みと似た症状の方の投稿があるかどうかだけを参考にしましょう。

自律神経やメンタルの疾患は「悪い口コミ」が入りやすい

心療内科や精神科の口コミに悪いものが多いのは、疾患の症状からくる攻撃性によって悪い投稿が入りやすいためです。患者さんのことを考えた投薬治療をしている立派な病院ほど、低評価であることはよくあります。

良い口コミを増やすなら、患者の健康は考えない方が得?

運動をしつこく言う先生よりも、「良くなってよかったですね」とだけ伝えて運動不足を放置する先生の方が「良い先生」だと思われるのが現実です。
口うるさい良心派より、体が壊れるまで好き勝手させてくれる先生が認識されやすい……これは医療独特の難しさです。

5. 専門家推薦や一般雑誌への掲載は「買える」

マーケティング戦略で重視されるのは「権威性」です。人は権威に弱く、サービスが売れやすくなるという心理を利用した手法が、10年以上前から頻繁に行われています。

書籍出版案内の実例

雑誌や書籍への掲載は、掲載料を支払うことで可能です。広告費を支払えば「有名雑誌掲載実績多数!」と宣伝できます。
推薦文も、コネクションを利用したり謝礼金を支払って買い取ることもあります。一度も施術を受けたことがないのに推薦しているケースもよくあります。これらは治療院選びの参考にならない「ゴミ情報」でしかありません。

6. 「撤退」も視野に入れてくれているか?

医学に絶対はありません。良い先生は「〇回やってみて変化がなければ、継続するか話し合いましょう」という提案をしてくれます。
治ることよりも、何度も通ってお金を落としてくれることが目標になっている治療院も少なくありません。目安の回数も示さずにとにかく継続を促してくる院はお勧めできません。

7. 骨盤矯正を謳っている院は「知識不足」か「儲け重視」

まともな基礎医学知識がある先生なら、骨盤矯正は行いません。
骨盤は固い靱帯で固定されており、交通事故等の強い力が加わる以外に歪むことはありえないからです。1mm程度の非対称性は誰にでもあることで、腰痛とも相関がありません。

骨盤矯正を謳う院は、基礎医学を理解していないか、知っていて儲かるからやっているかのどちらかです。不安を煽って効果のないものを売りつける「不安ビジネス」と言えます。

8. 初回割引と返金保証の裏にある心理戦略

これは「今すぐ来なきゃ!」と思わせて来院させ、通院させるチャンスを得るためのマーケティング手法です。
あなたに最適な提案をする治療院は、初回割引をしていたら赤字になるのでやっていけません。割引で集客する院は、通院の必要性に関わらず「通ってもらう必要がある」院側の事情があることを理解しておきましょう。

9. 常に予約が取りずらい院は「再発予防」が甘い

良くなれば通い続ける必要はありません。腕がいい先生ほど、良くなった方は卒業していくので予約には波があり、ある程度取りやすいはずです。
常に予約が取れないのは、一時的に楽にはなるが根本改善できておらずメンテナンスで通い続けているか、再発を繰り返している院である可能性が高いです。

10. 個人院とチェーン院の違い

チェーン店の良さはリーズナブルな価格と、マニュアル化された画一的な施術です。
対して個人院は、オーダーメイドの施術が可能です。重度の問題であればあるほど、技術や知識の水準を限界まで上げられる個人専門院を選ばれる方がよいでしょう。

11. 施術費用とクオリティの関係

人間が一日に判断できる力は有限です。一日に100人も診るようなベルトコンベア式の施術ではクオリティが落ちます。
難しい状態の方であれば、1日10人未満になる院を選ぶことをおススメします。

また、回数券やクーポンで選ぶのも危険です。手術する病院をクーポンがあるからという理由で選びますか?

12. 目的別・失敗しない選び方のまとめ

あなたの今の状態に合わせて、どこを受診すべきかを表にまとめました。

受診先得意な症状・特徴判断のポイント
病院(西洋医学)骨折、急な激痛、発熱、命に関わる緊急事態。検査で原因を特定し、投薬や手術が必要な時。
鍼灸院原因不明の慢性症状、自律神経、病院で治らない不調。国家資格保持。根本改善や安全性を重視する時。
接骨院(整骨院)捻挫、打撲、挫傷(肉離れ)などの急性外傷保険適用範囲のケガ。※慢性肩こり等は専門外。
整体・マッサージリラクゼーション、一時的な筋肉の疲れ。癒やしが目的。民間資格のため技術差が大きい。

特に鍼灸は、脳検査で異常がないのに頭痛が止まらない、病院へ通っているが変化がないといった「原因不明の慢性症状」に非常に強い力を発揮します。

また、安全性と税金(医療費控除)の面からも、国家資格者が営む鍼灸院は安心できる選択肢です。

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