自律神経の鍛える方法

こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。

自律神経は環境の変化に素早く適応するための神経です。その為、自律神経の働きが弱いと、ちょっとした環境の変化でも体調を崩しやすくなってしまいます。

季節の変わり目に体調を崩しやすいという方は多いのですが、これは気温や湿度、気圧など様々な環境の変化に適した自律神経の調節が上手くいかないことが影響しています。

今回は普段は問題なく過ごせているけれど、環境の変化で体調を崩しやすい方が、自律神経をどうやって鍛えていけばよいのか?について一緒に考えていきたいと思います。ぜひ最後までご一読ください。

 結論:適切なストレスをかけて環境の変化への抵抗性を高めていく。

乱れた自律神経を整える時は、なるべくストレスをかけないことが重要になりますが、自律神経の機能を高めていく時にはその逆で適切なストレス(環境の変化)を与えることで自律神経系の機能を高めていくことが出来ます。

自律神経を鍛えるには、自律神経に適切な負荷(ストレス)をかけることが重要になってきます。

病的に自律神経が乱れている場合には、先に自律神経を安定させるために余計な負担を取り除きますが、自律神経の機能を高める場合には、より積極的なストレス負荷をかけていきます。

ストレスといっても不適切なストレスをかければ自律神経を乱して体調不良を招いてしまいますので、ストレスの種類として適切ではないものをかけるわけではありません。

短期的に、適切な強度のストレスをかけることが重要になってきます。

自律神経を鍛えるストレス

では、自律神経を鍛える為にどのようなストレスをかけていいのかについて一緒に考えていきたいと思います。

元々自律神経を壊してしまうようなストレスは、長期的なストレス(頻回なストレス)・強すぎるストレスこの二点のいずれかの条件を満たしているストレスを避ける必要があります。

自律神経を鍛えて機能を強化してくれるストレスは、短期的であること、現在の自律神経の状態にとって適切な強度のストレスである。この二つの条件を満たすストレスをかけていくことが大切です。

それと同時にストレスをかけた時に回復するための十分な休養時間と乱さない生活を維持していくことが大切です。

私自身も実践していますが、自律神経の不調で来院されて元気になってきた方が、もっと身体が快適な状態になりたい、自律神経を鍛えたいといわれた方にも実践し頂いて、実際に効果を確認できている方法について紹介していきます。

1.基本的な生活習慣を維持する

自律神経は食事・睡眠・運動・ストレス管理という基本的な生活習慣が長期間維持されるだけでも、強くなっていくことがあります。

これは症状は消えたけれど、回復までにはまだ時間を必要としている方のばあいに多いですが、長期的・強すぎるストレスををかけないということが基本です。

短期的で適切な強度のストレスをかけた後に十分な休養と適切な食事・睡眠・運動・ストレスマネージメントが行われた生活習慣が合わさって初めて自律神経は鍛えられていきます。

2.運動

毎日の有酸素運動と筋トレを週に2~3回(毎日やらない)は、自律神経を鍛える上でとても有効な方法です。

しかし、自律神経の機能からすると運動する時間帯は太陽が出ている交感神経が優位な時間帯に運動を行うことが理想です。

夜遅くの運動は体内リズムとして休息時間に入っているのに強引に活動することになる為、体内時計を乱す原因になり、自律神経に過剰なストレスになる場合があるのであまりお勧めできません。

筋トレはとても有効な運動ですが、身体への負荷が大きく筋肉が超回復を起こすために休息が必要な為、1日おきぐらいが理想です。

運動には脳由来神経栄養因子(BDNF)を増加させる作用があることがわかっています。神経細胞の新生(新たに生まれること)・修復が行われやすくなります。

その結果として自律神経系の機能が強化されると考えられます。継続は力です。

3.新しいことをする

小さなことで言えば通勤や通学で使う道をいつもとは違う道で行ってみる、普段の散歩コースを変えてみるということも有効な方法です。

人間は変化をストレスとして感じます。

しかし、新しい人と出会ったり、普段通らない道を通る、普段行かないお店に入るなど普段しないことをすると、新しいことに対しての抵抗性が高まり、人事異動など突然環境が変わるなどの変化に強くなります。

朝起きてご飯を食べて、運動して、夜寝るといった生活のリズムを普段と違うリズムにすることは自律神経にとって害になりますので、小さいことでいいので新しい挑戦を頻繁にすることが大切です。

いつも同じメンバーでつるむよりも、初めての人と話すのもの脳にとっては良い刺激になります。

4.マインドフルネス

一つのことに集中するマインドフルネスを行うと感情のコントロールや脳の機能が高まることがわかっています。

瞑想、気功、太極拳などのマインドフルネスは、細胞分裂できる回数券(テロメア)を修復する回数券を増やす作用のあるテロメアーゼという酵素を活性化させることがわかっています。

テロメアーゼが活性化することで、テロメアが減少した神経細胞の分裂回数が回復する可能性があります。

また、マインドフルネスでもBDNFの増加が確認されていますので、神経細胞の新生・修復が行われやすい条件が整います。

5.水シャワー(サウナなど)

心臓が弱い、血圧異常がある方にはあまりお勧めできないのですが、お風呂上りに水シャワーを数十秒から長くても3分程度浴びることで、ストレスに対しての抵抗性が強くなります。

科学的にも研究が進んではいますが、まだまだ未知の部分も多い分野です。

水シャワーというストレスをかけることで一旦ストレス状態になり、そこから解放される過程には急激なストレスをかける(急な体温低下)→解放されるということで、ストレス反応にメリハリがつきやすいことが良い影響を与えていると考えられます。

私自身もやっていますし、すぐにはじめることが出来て効果が高い方法なのでストレスに強くなりたいという方には特におすすめの方法です。

実践されると、メンタル的な落ち込みからの回復が早くなるなどの効果を実感される方が多いです。

免疫系が高まって感染に対して抵抗性が増す、コルチゾール(ストレスホルモン)の低下する、炎症が鎮まるなどの効果があることがわかっています。

サウナでも同じ効果がありますが、毎日手軽にできるということでいえば水シャワーがお勧めです。

6.断食

食事のコントロールが出来ている場合でも、時々、飢餓状態を作り出す断食は自律神経を整える作用があります。

本格的な断食は専門家の指導の下管理して行うことが大切ですが、16時間断食を月に1回程度行うのは個人でも手軽にできてお勧めです。

16時間断食が流行して、朝食を抜いて毎日のように断食をすることは辞めてください。統計学的には朝食を食べない人の方が死亡率が高くなります。

16時間断食のデメリットとして低血糖状態になれてしまう場合があります。低血糖状態が頻繁に繰り返されると、ストレスホルモン(コルチゾール)が分泌されて血糖値を上げようとします。

これは自律神経にとっては交感神経を長期的に刺激し続けることになる為、お勧めできません。

また、やせ型の方の場合は脂肪をエネルギーに変換するというケトン代謝を脂肪が少ないことであまり行うことが出来ませんから、BMI22ぐらいにある方にお勧めの方法です。

まとめ

・食事・睡眠・運動・ストレス管理という基本を必ず守りましょう。

・若干高めの運動強度で肉体を鍛えましょう。

・生活に変化を与えて適度なストレスをかけましょう。

・マインドフルネスを実践しましょう。

・人工的な気温差を利用して自律神経の調整力を鍛えましょう。

・BMI22以上の方は月に1回程度断食をするのも良いです。

当院での改善をご検討の方は自律神経失調症をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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自律神経失調症
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