
こんにちは、佐野です。耳鼻科でいろいろと調べたけれど、原因不明だったり、ストレスが原因といわれて、めまいが治らないと来院される方が多くいらっしゃいます。今日はなぜストレスからめまいが発生するのかについて考えてみたいと思います。
結論:ストレス性による呼吸の乱れが原因で耳への血流が低下する
身体的・心理的ストレスを受けると交感神経の過剰興奮によって、呼吸が浅く、早く、そして胸式呼吸になります。その結果、肩こりや呼吸のし過ぎによる問題からめまい発生します。
肩こりが酷くなるとめまいがする
身体的・心理的どちらの場合でも、ほとんどの方で肩こりが酷くなります。なぜかというと、人間はストレスが加わると、胸式呼吸をするようになっているからです。
胸式呼吸というのは、肩や肋骨の筋肉を使って呼吸をする方法で、リラックス状態で行う腹式呼吸(横隔膜で行う呼吸)と違って、運動するときによく使用する呼吸になります。
長期的にストレスにさらされていると、運動する時用の呼吸を慢性的に行っていることになります。胸式呼吸は短期的に運動する時だけに用いる方法で、常時行うような呼吸法ではありません。
その為、肩回りの筋肉を使って呼吸を続けることで、肩の筋肉が疲労し、肩こりが発生してきてしまいます。
その肩こりが酷くなっていく事で、耳に血液を送る動静脈が筋肉の緊張によって圧迫を受けて平衡感覚を司る三半規管周辺への血流が低下してしまい、めまいが発症する症例が多くみられます。
ストレスから呼吸が早く浅くなるとめまいが起こる
意外に思われる方も多いのですが、私達の身体には、一定量の二酸化炭素が必要です。二酸化炭素には、耳に送られる血管を広げて血流の良い状態を作り出す作用があります。
しかし、長期的にストレスにさらされて浅く、早い呼吸が継続していると、体内の二酸化炭素濃度が低下してしまい、耳に送られる血管が縮んで(収縮)してしまい、十分な血流を保てなくなってしまいます。
その結果、三半規管周辺への血流が低下してしまい、めまいが発症するのです。
ストレスからくるめまいを改善するには?
ストレスからくるめまいを改善する方法は、首肩こりを改善したうえで正しい呼吸に戻すことです。基本的にこれ以外にありません。
病院で行うめまい治療は、筋肉を柔らかくする薬や血流をよくする薬などによって三半規管周辺の血流改善を行うのですが、薬が切れてしまうと元に戻ってしまうため、根本的な改善にはならず、薬が切れると元に戻ってしまう、そもそも薬があまり効かないなどで、当院へ相談されることが多くあります。
当然ストレスがかかりっぱなしの場合は、ストレス原因(ストレッサー)の解消やストレスに対してのとらえ方を変えるなどの心理療法が必要になってきます。
まとめ:首肩こり、呼吸の改善がカギになる
前述してきた通り、ストレスからくるめまいの場合、首肩こり、呼吸の改善を行うことが、とても重要になってきます。
心の問題からめまいが起こるとよく言われますが、心だけでなく身体的な問題が影響していることも多いので、まずは身体的な問題を解決していきながら、心の問題に取り組むことが大切です。
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