不登校に連動した起立性調節障害とは?

不登校 起立性調節障害

こんにちは、佐野です。当院でも診させて頂くことが多い起立性調節障害がですが、起立性調節障害は身体の疾患ですが、全く同じような症状を出しているけれども、不登校の心理的な問題からくる身体表現として起立性調節障害の症状が出ているケースが多々あります。

今日はそんな不登校に連動した起立性調節障害について考えてみたいと思います。

結論:起立性調節障害と不登校の心理側面は無視できない

起立性調節障害だけが問題になっている子は、体調が良くなってしまえば普通に学校生活に戻っていきますが、起立性調節障害からくるストレスとは別に、不登校の子供と同じ心理的なストレスを抱えている場合には改善が非常に困難になります。

起立性調節障害であっても、身体的側面からのアプローチである程度体を楽にしたうえで、心理的な側面がないかを考えていく必要があります。

症例から見てみよう

ここでは、当院で実際にあった症例をご紹介したいと思います。症例によって改善するタイミングはかなりばらつきがあり、一番効果的だったものが何なのかは正確に分析しずらいのが起立性調節障害である。

身体要素と思われる起立性調節障害の症例

14歳 男子 中学2年生
2年生になってしばらくしてから、朝起きられなくなり、学校に行けなくなり来院した。

朝、頭痛とだるさがあり、夕方ぐらいになると身体の症状がなくなって元気になる。脳への血流をあげる目的で、首の筋肉を緩める施術を2回おこなった後から、朝登校時間に起きられるようになり、徐々に学校へ通うようになった。

身体要素と精神的要素が入り混じったの起立性調節障害の症例

16歳 女子 高校2年生
部活で吹奏楽に所属しており、大きなコンクールが終わった後から、頭痛とだるさで、朝起きられなくなり来院した。

施術と生活指導で頭痛とだるさは改善したが、起床時間が安定せず、学校へはいけない状態が続く。結局、単位が足りなくなり、単位制の高校への編入が決まってしまったが、その直後ぐらいから、突然朝起きられるようになり、現在は単位制の高校へ通う。

身体的要素、心理的要素、習慣的要素が入り混じった起立性調節障害の症例

14歳 女子 中学2年生

部活と塾で毎日忙しくしており、部活の大会が終わった直後から朝起きられなくなり来院した。
後頭部にむくみが見られたため、鍼でむくみの改善を行うと同時に、体を起こすように睡眠指導を行った。
2回目の来院時に、眠気はあるが朝起きられるようになってきいると報告を受けるが、同時に部活と塾は負担になっているのではないかという親の判断でやめたとのこと。
時々眠気はあるが、朝起きられないことがなくなり、現在は学校へ普通に通っている。

不登校と起立性調節障害との関係性

不登校の子供の約3~4割に起立性調節障害を持っている子供がいるといわれています。しかし、起立性調節障害だけが問題の子供と不登校の心理的問題を含む子供では厳密には状態が少し異なります。

起立性調節障害は自律神経の乱れが主な原因で、身体的に頭痛、腹痛、だるさ、朝起きられないなどの辛い症状を抱えます。

自律神経の乱れが主な原因なので、首の筋肉を緩めるなどの施術で自律神経が整えやすくなるように、身体を楽にするように導いであげるだけでもかなり良くなりますし、学校への復帰も体調が改善すれば、放っておいても自然に復帰していきます。

しかし、不登校の側面を持つ起立性調節障害の子供の場合はそう簡単にはいきません。

不登校の子供の多くが、感情抑圧傾向があるといわれています。もともと自分の感情を言葉にして表現しない、真面目、いい子を演じる子供が多く、自分の感情を抑え込んでしまいます。

それが日常化している為、自分の感情を無意識に抑圧してしまって、自分が感じている嫌などの感情がわからなくなっている状態です。

体調不良を改善しても、なぜ学校へ行けないのか自分でもわかっていないことが多いので、何で学校へ行けないのかを聞いても、「わからない」「学校へは行きたい」などと答えます。

こういった感情の抑圧傾向の子供が限界に達したタイミングで起立性調節障害を発症し、学校へ行けなくなり、不登校がはじまります。

頭痛、腹痛、だるさ、朝起きられないなど、起立性調節障害とほとんど症状は同じです。起立性調節障害単独の場合と異なり、不登校の心理側面がある子供の場合は体調が良くても学校へ行くことが出来ません。

少しややこしいですが、起立性調節障害をからくる自律神経症状とは別に、無意識の心理的ストレスから、朝起きられない、だるい、動けない、気持ちが悪い、食欲が出ないなどの症状が出てくる点です。

無意識の心理的ストレスが原因となっているという点が、起立性調節障害と決定的に違うのです。

不登校心理的な側面がある場合、好きなことや楽しいことは出来るけれど、苦手なことや嫌いなことを目の前にすると途端になぜか体が動かなくなる、やる気が極端になくなってしまう、頭痛や腹痛などの身体症状が現れるといったように、感情の抑圧を働かせる場面になると体調を崩します。

不登校を伴う起立性調節障害の考え方

理由がわからない、なんか学校が嫌というなんとなくの原因で不登校を伴う子供の場合、今まで、感情の抑圧のし過ぎで、負の感情をため込むゴミ箱がいっぱいになってあふれてしまっている状態です。※別のコラムでは心のエネルギーが不足した状態と表現しています。

普通は自分の感情を表に出したり、わがままを言うことで、こまめにゴミ箱の中が捨てられてクリアになっていますが、感情の抑圧傾向が強いことで、心のゴミ箱の中にゴミをため続けた結果、ゴミ箱の容量がいっぱいになってしまい、新たな負の感情を追加でゴミ箱にためられなくなります。

負の感情を今まで溜めて処理していたので、新たに負の感情が発生すると処理が出来なくなり、それを避ける為に負の感情を伴う行動が行えなくなります。

その為の手段として、身体表現(症状として感情を表現する)を用いている場合に起立性調節障害に似たような症状を出すのです。

不登校を伴う場合、長年溜めてきた、心のゴミ箱の中を綺麗にする必要があります。基本的には好きなことをして過ごさせて、短期決戦は決してしないことが肝要です。

身体の状態がある程度良ければ、学校を変えるなどの環境を変えるだけで心のゴミ箱の空き容量がそれほど大きくなくても社会へ戻っていくことが出来る場合もあります。

起立性調節障害の改善が難しいとされる原因は、起立性調節障害単体の問題なのか、不登校の側面を持つ起立性調節障害なのかの判断が難しいからです。

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