苦しいけど、効果絶大パニックと不安解消呼吸法

こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。

皆さんは大人になってから息を止めたことがありますか?小学生の時は遊びでどれだけ長く息を止めていられるか友達と競争した方も多いのではないでしょうか?

実は呼吸を止めるのは良いことが色々あります。

今回は不安感やパニック発作をコントロールすることや不安解消にも役立つ息止め呼吸法について解説していきます。

当院でもご紹介することが多いですが、この呼吸法を実践されると不安感やパニック発作は案外簡単にコントロールできるようになる場合が多いです。

結論:息を止めは苦しいけどメンタルコントロールには非常に有効

不安感やパニック発作をコントロールする呼吸法の一つとして息を止めるという呼吸法は有効な方法です。

息を止めるので息苦しいですが、継続することでパニック発作や不安感が確実に出にくくなっていき、出かかっているときに呼吸法を行うことで発作をコントロールする力強いスキルにもなります。

今回ご紹介する呼吸法は、二酸化炭素を体内にためて、細胞にたくさんの酸素を行き渡らせる為の呼吸法です。効果は絶大なので頑張って練習しましょう。

注意点ですが、息を止めると血圧が上がる為、高血圧の人は行ってはいけない呼吸法となりますので注意してください。

正しい呼吸に関する過去記事

自律神経を整える正しい呼吸とは?
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息止め呼吸法で得られるメリット

息止め呼吸法を行うと得られるメリットは体内の二酸化炭素量の増加、自律神経系の調整、悩みや不安思考の停止の主に3つです。

二酸化炭素を体内に貯めることで得られる効果については過去記事をご参照頂きたいのですが、簡単にだけ解説させて頂くと、体内の二酸化炭素量が増えることで神経細胞が受け取ることが出来る酸素の量が増えて神経細胞脳働きがよりスムーズに行われやすくなります。

それが自律神経の調節機能や冷静でいる為の脳の機能を保つ作用へとつながります。

細胞レベルで代謝を落とす、間違った深呼吸していませんか?
一般的に健康に良いといわれる大きく息を吸って肺いっぱいに空気を取り込むという呼吸法は、生理学的に考えていくとあまり健康的な呼吸法ではありません。なぜ、健康的な呼吸法ではないのか?を細胞レベルで解説しています。間違った常識を知識武装で覆しましょう。

息をある程度の長さ止めると副交感神経線維が豊富な横隔膜を強く刺激することになります。息を止めている最中は交感神経が高まって血圧が上昇しますが、呼吸を再開するとその反動もあって血圧がかなり低下した状態になります。

つまり、副交感神経優位の状態となります。

また、息止めをしている最中は意識が息苦しさを何とかしたいということだけに集中します。

息苦しさを感じながら将来の不安について考えたり悩んだりしずらいため、悩み事や今まさに強いストレスを受けている(上司に叱られているなど)最中に息を止めると、意識が強制的に息苦しさに向きます。

不安感やパニック発作をコントロールする息止め呼吸法

1.正しい呼吸を行います。(正しい呼吸については過去記事参照。)

2.正しい呼吸で息を吐き肺の中の空気をなるべくすぐ吐ききってから、息を止めます。

3.鼻から空気を無意識に吸わないように鼻をつまみます。

4.息苦しいと感じ、次に唾を飲み込みたくなったり、横隔膜がぴくぴく動く→顔に血液が集まってきます。

5.苦しいところまで我慢したら、再び鼻から息を吸いすぐに吐き出さずに、肺の中に空気を入れたまま少し止めます。

6.そのまま、早く呼吸をせずに正しい元の呼吸のペースに戻していきます。

これを毎日最低3セットとパニック発作が起きそうなときに行います。連続して行う場合には、3分程度正しい呼吸を行ってから次の呼吸を行うようにしてください。

最初は息苦しいという段階ですぐに呼吸を再開してしまいますが、練習を重ねて徐々に頭に血液が集まるまで息を止められるまで我慢できるようになってきます。

息を止めている間は交感神経が高まりますが、呼吸を再開すると今度は一気に副交感神経優位の状態へと変わります。

体内に二酸化炭素が蓄積できるというメリットだけでなく、自律神経系を整える作用が期待できる呼吸法です。

その為、毎日練習することで、急激に交感神経が高まって発生するパニック発作の発生の抑制作用が期待できるのです。

重要なポイント

息を止めることには段階があり、息苦しいからはじまって、脳から呼吸をするように無意識で横隔膜や呼吸筋に指令が言って呼吸させる動きは出ます。

そしてさらに我慢すると脳に血液を集めて脳を守ろうとする作用が働いて、頭に血液が集まってきます。(血液が頭に集まるので、手足の血液が減ってだるくなる場合があります。)

そこよりもさらに我慢すると気絶します。気絶するほど我慢しないでください。

普通の人は苦しさに耐えきれず呼吸を再開します。もし仮に気絶しても、反射で呼吸が元に戻るので、安全なの為、倒れて危険な場所では行わないこと、寝て行う場合は横向きで行ってください。

特にお風呂につかりながら行って気絶してしまうとそのまま溺れてしまうので、絶対にお風呂の中では行わないでください。

呼吸を再開する時は、息苦しさがあるのでなるべく早く呼吸をしたくなりますが、せっかく体内にためた二酸化炭素を外に吐き出してしまっては苦しさに耐えた効果が半減してしまいます。

また、酸素を効率的に吸収するには肺の中に空気を入れてしばらくそのままにしておく方がより多くの酸素を取り込むことが出来ます。

なるべくゆっくり呼吸を再開し、2呼吸目には元の正しい呼吸に戻すようにしてください。

よくある失敗

1.息を止めるのが最初のちょっとした息苦しい段階までしか我慢できず、あきらめて辞めてしまう。

2.パニック発作の時だけ行おうとする。(毎日の練習が大切です。)

3.正しい呼吸が出来ていない。

思ったような効果が得られない場合は上記の3点を見直してみましょう。

息を止める呼吸法はかなり強力に自律神経系に働き掛けることが出来る方法です。特に息を止める呼吸法は自律神経系への作用が強いです。

頭の中で悩みや不安を考え始めてグルグルしてしまっている時も直ぐに息止め呼吸法を行うと意識が悩み事から息苦しいので「呼吸したい」の一点に集中させられます。

そうやって息止め呼吸法を何度も行うことで、悩み事をしていて心理的ストレスを受けている時間を少なくする効果も期待できます。

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まとめ

大人になると息を止めるという機会がほとんどなくなってしまいますが、日常的に息止めを行う呼吸法を行うことで、体内の二酸化炭素量の増加、自律神経の調整、メンタルコントロールなど様々な効果が期待できます。

息を止める為息苦しさはありますが、その分効果も高いのが息止め呼吸法です。

一時的に血圧が高まる為高血圧の持病がある方は行わないでください。

息止め呼吸法は息を吐き切った状態から始め、横隔膜が動きはじめたり、顔が熱くなってきたのを目安に終了します。

息止め呼吸法を行った直後はなるべく肺の中に空気を入れてしばらく止めて起き、そこからゆっくりした呼吸を再開していきます。

息止め呼吸法直後に早い呼吸をしてしまうと二酸化炭素が吐き出されてしまう為、効果の一部が半減してしまいます。

連続して行う場合には3分間はインターバルを置くようにしてください。

お風呂や電車のホームなど、万が一気絶してしまった際に危険がある場所では行わないでください。

悩み事や不安感が頭の中によぎり始めたら息止め呼吸法をすることで、パニック発作を予防する効果が期待できます。

当院での改善をご検討の方は自律神経失調症パニック障害をご覧ください。

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