起立性調節障害は子育ての問題なのか?親のせいなのか?について

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起立性調節障害は子育ての問題?親のせい?なのか

こんにちは、心身堂の佐野です。子供が起立性調節障害になってしまうと、「もしかして、私達の育て方に何か問題があったのではないか?」という自責の念を持たれる方も多くいらっしゃるかと思います。そんな親御さんに向けて書いたページです。

このページを読まれる前に、注意点がありまして、起立性調節障害を持つ親御さんに自分のことを責めてくださいと言うためにこのページを作っているわけではありません。

改善に向けた原因一つとして考えられる点をご紹介して、改善の役に立てる一助になればという目的で執筆しておりますので、その点はくれぐれも誤解のないようにお願い致します。

子育て

まず最初に、起立性調節障害と子育ての間には明確な因果関係は証明されていません。

一人親だからとか、共働きだからとかといった客観的にわかる情報からは、起立性調節障害になりやすいということはありません

しかし、起立性調節障害になっている子供自信や親の精神分析、教育方針、声掛けの傾向などとの因果関係を調べた研究もありませんので、起立性調節障害と子育てに因果関係はないと言い切る証拠は何もないのが現状です。

子育ての問題なのか?親のせいなのか?その答えは「わからない」というのが、本当のところです。

ただ、起立性調節障害の原因の一部に心理面のアプローチが必要になるというのは起立性調節障害のガイドラインの中心的な話ですから無視もできません。

起立性調節障害ガイドライン

ストレスに対する抵抗性や性格は多くの部分が遺伝子により決定されますが、人が抱えるストレスのほとんどは人間関係に起因すると言われています。

ほとんどの子供はどこで人間関係を学ぶのかといえば、親子関係から基本的な人間関係スキルを学びます。

この仕組みを考えると、ストレスが影響する起立性調節障害に基本的な人間関係を学ぶ場である子育てが無関係とするのには無理があります。

それでも、起立性調節障害の改善には親御さんのご協力が不可欠ですから、「親や子育て」というデリケートな問題に触れることで、医療者と親御さんとの関係性が悪くなったり、親御さん自信が自責の念からストレス障害を発症して、子供の治療に悪影響が出ることから、起立性調節障害は親のせいではないことを強調する必要があるのも事実です。

全てのケースで子育てが関係しているというのも極端ですが、自律神経の問題ですからある程度ストレスとの因果関係はあり、臨床をしていて親御さんの態度が変わってくると改善してくる子供が多いのも確かです。

起立性調節障害の原因になる子育てとは?

ここでは親御さんからの影響が強く出ていた起立性調節障害の症例から、ストレスと関係性が深い子育てについてご紹介させて頂きたいと思います。

1.心配性で過干渉

両親のどちらかまたは両方が心配症で子供が失敗しないように、恥をかかないように、先回りして口を出してしまう。

失敗から学ぶという機会が奪われると同時に、「失敗=悪い事」という思い込みが強くなり、完璧主義を目指してストレスを受けやすい神経質な気質なります。

2.子供言うことを聞かないと親が怒ったり、不機嫌になったり、悲しそうにする

親の思い通りに行動している時だけ優しくされる。褒められる。その逆だと怒られたり、不機嫌になったり、悲しそうな顔を親がする。

言い換えると、条件付きで子供に愛情をあげたり、あげなかったりするということです。

子供は無条件に親からの愛情を求めるようプログラムされているから、条件付きで愛情をあげたりあげなかったりすれば、愛情が欲しくて親の言うことを聞こうとします。

しかし、親に気に入られること、親に褒められることを基準に生き始めると、自分の気持ちがわからなくなり、自分の存在価値を肯定できなくなり、常に不安で自信のない対人ストレスを抱えやすい状態になります。

3.プライバシーが守られていない

子供であっても一人の人間ですから、親に知られたくないことはあります。心配だからといって子供の机の引き出し、鞄、手帳、スマホを勝手にみたりしてしまうことで、信頼関係が損なわれます。

人を信頼できなくなったり、常に監視されている感覚が付きまとって不安を抱えやすくなります。

4.親の気持ちを理解させようとする

親がどういう気持ちで、色々と口を出しているのかを、子供にわからせようとする。

「親の心子知らず」の言葉通り、心の発達では親の気持ちを子供が理解するようになるのは子供が親になった時です。

子供の段階で親の気持ちを理解させようとすると心の成長の発達段階を飛ばしてしまうことになり、心理的に不安定になります。

5.子供の意見を聞かずに、子供のことを決める

コンビニで何を食べるのかといった小さいことから、交友関係、塾、習い事、部活、進路まで、親が判断したり、誘導したりして子供が自分で決めたという経験が少ない。

判断するという能力が育たず、常に誰かの意見を聞いたり、常に助言がある状態で決めているので、自分で決断したという感覚がなく、自分の人生を自分でコントロールしているという自信がなくなり、自信のない子に育ちます。

6.親の感情や家庭が不安定

親の感情が不安定で、イライラして怒ったり、突然、優しくなったり、泣き出したりする、夫婦仲が悪くよくケンカしているなど、子供が家で安心して過ごすことが出来ない。

家の中が安心できる環境になっていないと、子供の心の発達に悪影響が出て、自分の感情を常に抑圧してストレスを溜め込みやすくなります。

7.子供の言いなりになっている、甘やかす

子供が望むこと、言うことを全て聞き入れて、子供と心の交流が取れていない。

子供が騒ぎ出すから、怒り出すから、暴れるからという理由で、子供の望むものを小さい時からなんでも与えて子供と向き合えていない。我慢する脳の部分も育たず、小さな我慢に対しても強いストレスを感じてしまい、ストレスに弱くなる。

8.出来ていない事に対しての注意が多く、出来ている事に対して褒めていない

脱ぎっぱなし、扉締まっていない、電源入れたまま、ゲームばかりしているなど、出来ていない部分ばかりが目について注意するけれど、出来ている部分については当たり前になってしまい、気が付かず褒めていない。(起立性調節障害の子供にとっては凄く頑張らないとできない、朝起きる、学校へ行くのも当たり前だと思いすぎている。)

何度も注意を受けることで、「話しかけられる=叱られる」と感じるようになると、人が怖くなり、他人とのコミュニケーションに常に恐怖を感じていたり、人の目線をものすごく気にするようになります。

褒められることも少なく、褒められたとしても主に結果を褒められていることが多く、結果を出さないと受け入れてもらえないという感覚が強くなり、自信が持てず、不安感を抱きやすくなる。

9.子供が返答するまで待てない

聞いた質問に対して返答がないと返答を急かしたり、話したくなるまで待ってあげられない。

待つというのは、コミュニケーションで大切な「間」ですが、早く返答するよう促されたり、自分のペースで考える時間を与えてもらえないと、人がいる環境では常に急かされているような感覚になって緊張してしまうようになる。

10.意見を最後まで聞いてくれない

子供が意見ややりたいことを言った時に、否定から入ってしまい子供の感情に寄り添っていない。

子供は親に自分の気持ちを理解してもらったという体験を通して、自己肯定感を育てていきます。

しかし、子供は未熟ですから親からみれば当然、失敗するであろうバカげたことをやりたいと言い出すことも多いです。

しかし、頭から否定するのではなくやりたいという感情を受け取ってあげるという過程が心の発達を促します。

頭から否定されると親に何を言っても、どうせ聞いてくれないという体験を繰り返すことになり、そのうちに、自分には何があっても絶対的に味方でいてくれる存在がいない。

周りは敵だらけだという感覚が強くなって、人混みにいるだけでも敵対されているような感覚を感じるようになって、常に不安と緊張状態で過ごすことになってしまいます。

最後に

このページでご紹介させて頂いたのは、ほんの一例ですが実はここで紹介している内容は、アダルトチルドレンといわれる子供時代に機能不全家族で育った方が親になった際によくみられる子育てです。

親自身が子供の時に親の顔色を窺っていたり、親から受け入れてもらったという感覚が薄い状態で育った方が親になることで、無意識に子供にストレスやプレッシャーをかけていってしまいます。

育児放棄や無視、DVはもちろん問題ですが、親として子供のためを想って愛情としてやっていることが、子供の健全な心の発達に悪影響を与えてしまうという悲しい関係性になってしまっているのです。

親自身も、他人の評価に過敏で自分に自信がもてない、自分の存在価値に不安がある、酒・仕事などに溺れてしまう、対人関係(子育てを含む)が上手くいかない、居場所のなさ、生きづらさを感じる、自己肯定感が低いという状態で、自分自身も苦しんでいることが多いです。

子供は真っ白な状態で生まれてきて、最初に出会う両親との人間関係ではじめてこの世界を認識します。

あなたはいるだけでいい、あなたが生きてて凄く嬉しいという、存在そのものに愛情を受けて育った子は、情緒が安定し、遺伝的にストレスに弱かったとしても「これぐらい乗り越えられる」と大概のストレスには対応できます。

しかし、あなたはあれもこれもできてなくてダメな子ね、これぐらいできないの?スマホばかり見てて!などとと否定されて育った子は、情緒が不安定になり人間関係のストレスに対して対応していくことが出来なくなります。

そして、遺伝的な自律神経の弱さとこういったストレスに対する弱さが重なった時に、起立性調節障害を発症しているケースは少なくないと私は臨床から感じています。(少なくとも、大人になってからは不安障害(パニック障害等)やうつ病などに罹りやすいというデータがあります。)

繰り返しますが親御さんを責める為にこのページを作成したわけではありません。ご自身を振り返ってお子さんとの関わり方に問題があるようであれば、改善に取り組むことで起立性調節障害の改善の一助になると思います。

表面上の接し方を変えても子供は雰囲気から色々と感じとりますので、子供にどういう気持ちで接するのかが重要です。どうやって改善していけばよいのかよくわからないという方は、お手伝い致しますので、お気軽にご連絡ください。

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